キャッチアップ拠出とは?iDeCo・企業型DCの2026年改正、年齢制限・上限額・節税効果を徹底解説

2026年4月1日に企業型DCのマッチング拠出が拡充

2026年にすでに実施された重要な改正が、企業型DCのマッチング拠出における加入者掛金の制限撤廃です。

企業型DCでは、会社が拠出する「事業主掛金」に、従業員自身が「加入者掛金」を追加できる制度があります。これをマッチング拠出と呼びます。

2026年3月までの制度では、加入者本人の掛金は原則として事業主掛金を超えることができませんでした。

例えば会社の掛金が月5,000円なら、本人も最大月5,000円までという制限があったわけです。

2026年4月1日からこの制限が撤廃され、事業主掛金額そのものに縛られず、企業型DC全体の拠出限度額の範囲で本人掛金を設定できる制度になりました。

キャッチアップ拠出とマッチング拠出を混同しない

比較キャッチアップ拠出マッチング拠出
2026年9月の日本未導入・検討段階すでに制度あり
年齢条件日本では未確定年齢だけを理由とする追加枠ではない
仕組み通常枠を超える追加拠出を想定会社の事業主掛金に本人が上乗せ
2026年改正導入されていない本人掛金≦事業主掛金という制限を撤廃

2026年12月1日からiDeCo・企業型DCの拠出限度額が引き上げ

2025年の年金制度改正等に基づき、2026年12月1日からiDeCo・企業型DC・国民年金基金の拠出限度額が引き上げられます。

特に会社員・公務員など国民年金第2号被保険者の制度が大きく変わります。

企業年金がない会社員

2026年11月まで、企業年金がない会社員のiDeCo上限は月額2万3,000円です。

2026年12月からは月額6万2,000円へ引き上げられます。

年間にすると、単純計算では、

2万3,000円×12か月=27万6,000円

から、

6万2,000円×12か月=74万4,000円

となります。

ただし、これは年齢が高い人だけに与えられるキャッチアップ枠ではなく、制度の対象となる第2号加入者の基本的な拠出限度額の見直しです。

企業年金がある会社員・公務員

2026年11月まではiDeCoについて原則月額2万円を上限とし、企業型DCの事業主掛金やDB等の他制度掛金相当額と合わせて月額5万5,000円以内という調整があります。

2026年12月からは、企業年金とiDeCo等を合わせた共通の枠が月額6万2,000円となります。

つまり、単純な「全員iDeCo6万2,000円」ではありません。

例えば企業型DCの事業主掛金等が月2万円なら、他の条件を無視した基本的な考え方では、

6万2,000円-2万円=4万2,000円

がiDeCo側で利用できる枠の目安となります。

DBなど他制度がある場合は、その掛金相当額も差し引いて計算します。

自営業者・フリーランス等

国民年金第1号被保険者について、iDeCoと国民年金基金等との共通限度額は、2026年11月までの月額6万8,000円から、2026年12月以降は月額7万5,000円へ引き上げられます。

国民年金第3号被保険者

扶養されている配偶者など第3号加入者のiDeCo上限は、2026年12月改正後も月額2万3,000円です。

2026年12月からのiDeCo上限額を整理

加入者2026年11月まで2026年12月から
第1号・第4号加入者iDeCo・国民年金基金等合計 月6.8万円合計 月7.5万円
第2号・企業年金なしiDeCo 月2.3万円iDeCo・iDeCo+ 月6.2万円
第2号・企業年金ありiDeCo原則月2万円、企業年金等と合計月5.5万円以内iDeCo・企業年金等の合計月6.2万円
第3号加入者月2.3万円月2.3万円
新しい第5号加入者制度なし企業年金等と合計月6.2万円

掛金額には最低額や企業年金との合算など細かな条件があります。実際に拠出可能な金額は勤務先の制度や加入者区分によって確認してください。

iDeCoの年齢制限は2026年12月にどう変わる?

2026年9月10日時点のiDeCoは、基本的に20歳以上65歳未満の公的年金被保険者が加入対象で、一定の条件があります。

2026年12月1日からは、iDeCoで老後資金形成を続けられる年齢の範囲が拡大されます。

新たに「第5号加入者」という区分が設けられ、国民年金被保険者ではない60歳以上70歳未満でも、一定条件を満たせばiDeCoへ加入・継続拠出できるようになります。

基本となる対象は、

  • それまでiDeCo加入者だった人
  • iDeCo運用指図者
  • 企業年金からiDeCoへ資産を移換する人

などのうち、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない人などです。

また、施行から3年間は一定の経過措置も設けられています。

70歳未満まで加入できる=キャッチアップ拠出ではない

加入可能年齢が広がるため、「高齢者向けのキャッチアップ拠出が始まる」と誤解しやすいところですが、制度上は別です。

年齢延長は掛金を拠出できる期間を長くする改正であり、「50歳以上なら基本上限にさらに○万円を追加できる」という仕組みではありません。

2026年12月分から掛金を増額するには手続が必要

iDeCo公式サイトでは、2026年12月分の掛金、実際には2027年1月引き落とし分から新しい拠出限度額が適用されると案内しています。

限度額が自動的に引き上げられても、現在設定している毎月の掛金が自動的に最大額へ変更されるわけではありません。

掛金額を増やしたい場合は、利用している運営管理機関等を通じて所定の掛金額変更手続を行う必要があります。

掛金を増やせば所得控除も増えますが、「拠出した10万円がそのまま10万円節税になる」わけではありません。また企業型DCでは、2026年の改正を生かすために規約変更が必要になるケースがあります。最後に実務上の注意点を確認します。