
日本暗号資産等取引業協会の規則には何が定められている?
法令だけでは補いにくい実務上のルールを整備
JVCEAの公式サイトでは、業務の種類ごとに自主規制規則やガイドラインが公開されています。規則は、会員企業が利用者にサービスを提供する際の実務上の基準となるものです。
主な対象分野には、次のようなものがあります。
- 利用者財産の管理
- システムリスクや情報セキュリティの管理
- 広告、勧誘、表示に関するルール
- 新規暗号資産の販売や取扱い
- マネー・ローンダリングやテロ資金供与への対策
- 苦情処理と紛争解決
- 暗号資産デリバティブ取引の管理
- 電子決済手段や資金移動に関する業務
- 緊急時の対応や事業継続体制
自主規制規則は固定されたものではありません。法改正、新たな取引形態の登場、サイバー攻撃の増加、国際的な規制動向などを踏まえて改正されることがあります。
規則があるから損をしないわけではない
自主規制規則は利用者保護に重要な役割を果たしますが、暗号資産の価格変動を抑えるものではありません。
暗号資産には、短期間で価格が大きく変動する可能性、秘密鍵やパスワードの管理リスク、誤送金、ネットワーク障害、取扱廃止などのリスクがあります。登録業者やJVCEA会員を利用していても、取引による損失が補償されるとは限りません。
JVCEAの統計情報では何がわかる?
会員企業の取引状況を集計して公表
JVCEAは、会員各社から提出された情報をもとに、暗号資産取引に関する統計を公表しています。
公表資料では、時期や資料の種類によって、現物取引や証拠金取引の取引高、利用者の預かり資産、口座に関する情報、銘柄別の取引状況などを確認できます。
市場規模や取引動向を把握するために役立ちますが、統計数値は会員から提出された報告を集計したものです。後日訂正される可能性があり、特定銘柄の将来価格を予測するための資料でもありません。
参考価格は売買価格を保証するものではない
JVCEAは暗号資産の参考価格に関する情報も公表しています。ただし、暗号資産は取引所や販売所によって価格が異なることがあります。
参考価格と、実際に利用するサービスの購入価格・売却価格が一致するとは限りません。販売所方式では、購入価格と売却価格の差であるスプレッドが実質的な取引コストになることもあります。
日本暗号資産等取引業協会の暗号資産一覧とは?
取扱暗号資産の概要説明書や銘柄情報が公開されている
JVCEAの公式サイトでは、第一種会員が取り扱う暗号資産の種類や概要を確認できる資料、新規取扱銘柄、取扱廃止銘柄、取扱いの一時中止に関する情報などが公表されています。
銘柄の概要説明書では、発行や管理の仕組み、利用目的、ネットワーク、供給に関する情報、主なリスクなどを確認できる場合があります。
グリーンリストは推奨銘柄ランキングではない
JVCEAは、国内会員における取扱状況など一定の要件を満たす暗号資産を「本邦で広く取り扱われている暗号資産」としてグリーンリストで公表しています。
グリーンリストは、会員による新規取扱いの手続を効率化するための制度であり、価格上昇が期待できる銘柄、安全な銘柄、損をしない銘柄を選ぶランキングではありません。
リストに掲載されていても、価格下落、取扱廃止、技術上の問題、ネットワーク障害などが発生する可能性があります。
新しい暗号資産は取扱開始のお知らせを確認する
国内事業者が新しい暗号資産の取扱いを始める場合、JVCEAの公式サイトで新規取扱銘柄として公表されることがあります。
ただし、「国内で取扱いが始まった」「協会の手続を経た」という事実と、「将来値上がりする」「投資に適している」という判断は別です。発行目的、供給量、流動性、発行者や開発体制、価格変動、取扱事業者の売買条件などを個別に確認する必要があります。
「暗号化資産」と「暗号資産」は同じ?
日本の法令上の正式な呼称は暗号資産です。「暗号化資産」は一般的な法令用語ではなく、「暗号資産」の書き間違いや言い換えとして使用されているケースがあります。
以前は「仮想通貨」という呼称が広く使われていましたが、2020年5月1日に施行された改正資金決済法により、法令上の呼称は「暗号資産」に変更されました。
サービスの説明や契約書を確認するときは、「暗号化されている資産」という一般的な説明と、資金決済法上の「暗号資産」を混同しないようにしましょう。
国内暗号資産取引所と海外暗号資産取引所の違い
重要なのは会社の国籍より日本での登録
一般に、金融庁・財務局から暗号資産交換業者として登録を受け、日本国内向けにサービスを提供している事業者は「国内暗号資産取引所」と呼ばれます。
海外で設立されたグループのサービスであっても、日本法人が必要な登録を受けて国内向けに運営している場合があります。反対に、日本語のサイトやアプリが用意されていても、日本で必要な登録を受けているとは限りません。
海外事業者には日本の保護制度が及ばない場合がある
日本で登録を受けていない海外暗号資産取引所を利用した場合、トラブルが起きても日本の法令に基づく利用者保護や紛争解決の仕組みを十分に利用できないおそれがあります。
海外事業者を名乗る偽サイトや偽アプリもあるため、次の点に注意してください。
- 金融庁の登録業者一覧に運営会社が掲載されているか
- 日本語対応だけを理由に登録業者だと思い込んでいないか
- SNSやメッセージアプリから投資を勧められていないか
- 出金のために税金や保証金の追加送金を求められていないか
- 公式アプリと偽アプリを取り違えていないか
登録業者であることを確認しても、利益や元本が保証されるわけではありません。しかし、無登録業者とのトラブルを避けるための基本的な確認として、登録状況の確認は欠かせません。
SBI証券や楽天証券の名称で確認すると、実際の会員企業やサービス運営会社を取り違えることがあります。正しい関係と相談先は次のページで確認してください。




