インバース型・レバレッジ型上場投資信託とは?仕組み・減価・銘柄・買いタイミングを徹底解説

インバース型上場投資信託やレバレッジ型上場投資信託は、株価指数などの「1日ごとの値動き」を増幅したり、反対方向の値動きに連動したりすることを目指す金融商品です。相場下落時の利益や保有資産の値下がり対策を期待できる一方、一般的なインデックスファンドとは異なる複雑な性質があります。特に、長期保有による値動きのずれや、上下を繰り返す相場で生じる「減価」を理解せずに購入すると、予想どおりに相場が動いても損失が残ることがあります。本記事では、基本的な仕組みからダブルインバースとの違い、代表銘柄、メリット・デメリット、買いタイミングの考え方まで、金融庁や日本取引所グループなどの公表情報をもとにわかりやすく解説します。

貯金箱や硬貨、グラフを使って資産について考えるイメージ

この記事の目次

  • インバース型・レバレッジ型上場投資信託の基本
  • インバースとダブルインバースの違い
  • 長期保有で起こり得る減価と主なリスク
  • 代表的な銘柄と買いタイミングの考え方
  • 非上場投資信託、特別分配金、金・JリートETFの基礎

重要:本記事は金融商品の一般的な仕組みを説明するもので、特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。投資信託やETFには元本割れの可能性があり、利益は保証されていません。

インバース型上場投資信託とは

インバース型上場投資信託とは、日経平均株価やTOPIXなどの原指標に対して、1日ごとに反対方向の値動きを目指すETFです。「ベア型」「逆連動型」と呼ばれることもあります。

例えば、日経平均株価の日々の変動率にマイナス1倍で連動するインバース型指標の場合、日経平均株価が前日比で1%下落すると、連動するETFはおおむね1%上昇することを目指します。反対に、日経平均株価が1%上昇すると、ETFはおおむね1%下落する設計です。

ただし、信託報酬、先物取引にかかる費用、市場の需給、売買価格と基準価額の差などがあるため、実際の騰落率が常に正確なマイナス1倍になるわけではありません。

インバース型上場投資信託の主な用途

  • 株式市場が短期間で下落すると予想した場合の運用
  • 保有している株式や投資信託の一時的な値下がり対策
  • 信用取引による空売りを使わずに下落方向へ投資すること

現物取引でインバース型ETFを購入する場合、通常は信用取引のような追加証拠金が発生しません。一方、信用取引を利用して購入すれば、ETF自体の値動きに信用取引のリスクが重なるため注意が必要です。

レバレッジ型上場投資信託とは

レバレッジ型上場投資信託とは、原指標の1日ごとの変動率を一定の倍率に増幅することを目指すETFです。日本国内では、日経平均株価やTOPIXの日々の変動率に対して、おおむねプラス2倍の値動きを目指す商品が代表的です。

原指標が1日で2%上昇した場合、プラス2倍型のETFはおおむね4%上昇することを目指します。しかし、原指標が2%下落すれば、おおむね4%下落する可能性があります。利益だけでなく損失も大きくなりやすいため、一般的な指数連動型ETFより値動きが激しくなります。

インバースとレバレッジの違い

種類目標とする日々の値動き相場上昇時相場下落時
通常の指数連動型おおむねプラス1倍上昇を目指す下落しやすい
レバレッジ型おおむねプラス2倍など大きく上昇する可能性大きく下落する可能性
インバース型おおむねマイナス1倍下落しやすい上昇を目指す
ダブルインバース型おおむねマイナス2倍大きく下落する可能性大きく上昇する可能性

インバース型とダブルインバース型の違い

通常のインバース型は、原指標の日々の変動率に対しておおむねマイナス1倍の動きを目指します。ダブルインバース型は、おおむねマイナス2倍の動きを目指します。

日経平均株価が1日で3%下落したと仮定すると、マイナス1倍型はおおむね3%上昇、マイナス2倍型はおおむね6%上昇することを目指します。反対に日経平均株価が3%上昇すれば、ダブルインバース型はおおむね6%下落する可能性があります。

「ダブル」とは、購入金額が2倍になるという意味ではありません。原指標の1日ごとの騰落率に対して、マイナス2倍の値動きを目指すという意味です。

日経ダブルインバース上場投信とは

「日経ダブルインバース上場投信」という表現は、日経平均ダブルインバース・インデックスへの連動を目指すETFの総称として使われることがあります。また、証券コード1357の「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」を指して使われる場合もあります。

東京証券取引所には、同じ日経平均ダブルインバース・インデックスへの連動を目指す複数の商品が上場しています。連動対象が同じでも、信託報酬、売買単位、出来高、売買価格の間隔、基準価額とのずれなどは商品ごとに異なります。

実は、相場が最終的に元の水準へ戻っても、ダブルインバース型の価格は元に戻らないことがあります。その重要な理由を次のページで解説します。