
お金持ちの節税とは?税金を払わなくてよい仕組みではない
節税とは、税法で認められた制度を利用して適法に税負担を調整することです。所得や財産を隠したり、事実と異なる経費を計上したりする行為とは区別しなければなりません。
資産形成に関連して利用できる代表的な制度にはNISAやiDeCoがあります。
NISA|投資利益を非課税にできる
2026年現在のNISAでは、対象となる株式・投資信託などから得た売却益や配当等が制度の範囲内で非課税になります。
- つみたて投資枠:年間120万円
- 成長投資枠:年間240万円
- 年間合計:最大360万円
- 非課税保有限度額:1,800万円
- うち成長投資枠:1,200万円
- 非課税保有期間:無期限
NISAは富裕層限定の制度ではありません。2026年時点では18歳以上の対象者が利用できる制度です。
また、1,800万円は時価ではなく取得価額を基に管理される非課税保有限度額です。
iDeCo|掛金を所得から控除できる
iDeCoの掛金は、一定の加入要件・上限の範囲で全額が小規模企業共済等掛金控除の対象になります。制度内の運用益も非課税で再投資され、受取時にも受取方法に応じて一定の所得控除があります。
一方、老後資金を目的とした制度であるため、一般の預金のようにいつでも自由に引き出せるものではありません。
なお、iDeCoは2026年12月1日に加入可能年齢や拠出限度額の拡大が予定されています。本記事の基準日である2026年9月10日時点では、変更前の制度が適用されています。
高所得者なら株の税金も高くなる?
所得税は累進課税のため、給与等の課税所得が増えるほど高い税率区分が適用される場合があります。
しかし、すべての投資所得が給与と同じ税率になるわけではありません。
例えば一般的な個人が課税口座で上場株式等を売却した場合の譲渡益は、2026年では基本的に所得税・復興特別所得税・住民税を合わせて20.315%の申告分離課税です。
上場株式等の配当についても、一定の場合には20.315%の申告分離課税を選択できます。
ただし大口株主等には異なる取扱いがあり、商品・所得区分によって税制は変わります。
「会社を作れば節税できる」は全員に当てはまらない
資産家や高所得者について「法人化すれば必ず節税できる」と説明されることがありますが、一律には判断できません。
法人には法人税等だけでなく、会社設立・会計・申告等のコストがあり、役員報酬には個人側の所得税・住民税・社会保険料等が関係します。
個人で保有する資産を法人へ移す場合にも、資産の種類によって譲渡所得や各種税金が生じる可能性があります。
「節税額」だけでなく追加コストまで含めた税引後の結果を税理士等と確認する必要があります。
お金持ちの息子・娘なら本人もお金持ち?
親が多額の資産を保有していても、その財産は原則として親本人の財産です。
子どもへ財産が移る代表的な場面が「贈与」と「相続」です。
贈与税の年間110万円とは?
暦年課税では、1月1日から12月31日までに受けた贈与財産の合計額から基礎控除110万円を差し引いて贈与税を計算します。
年間の贈与額が110万円以下なら、通常は暦年課税による贈与税は発生しません。
ただし、例えば最初から「10年間、毎年100万円を贈与する」という定期的な給付契約を結んでいる場合には、単純に毎年110万円以下だから非課税とはならないことがあります。
相続税はいくらから?
相続税には基礎控除があり、2026年現在は次の式で計算します。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
例えば法定相続人が2人なら、
3,000万円+600万円×2=4,200万円
が基礎控除額です。
正味の遺産額等が基礎控除以下なら、原則として相続税はかかりません。一方、多額の資産を持つ家庭ほど相続・贈与の税務確認は重要になります。
お金持ちの家の間取り・部屋には特徴がある?
「お金持ちの家には必ず広い玄関がある」「リビングは○畳以上」といった情報もありますが、富裕層であることを証明する全国共通の間取りはありません。
住宅の広さや間取りは、居住地域、地価、家族構成、建物の用途、趣味などによって大きく異なります。
例えば東京都心の高価格マンションと地方の戸建住宅では、資産価値が高くても床面積の大小が逆転することがあります。
また、前述のNRIの富裕層分類は純金融資産を基準としているため、自宅が大きいかどうかとは直接一致しません。
高額住宅で重視されやすい設備と「富裕層の証拠」は別
住宅を建てる際に、収納、プライバシー、防犯、断熱性能、家事動線、書斎、来客空間などへ費用をかけるケースはあります。
しかし、それらは住宅設計上の選択です。特定の設備があるから住人の金融資産が1億円以上だと判断することはできません。
お金持ち育ちは見分けられる?雰囲気だけでは判定できない
言葉遣い、服装、食事作法、持ち物などから「お金持ち育ち」を判断する情報もありますが、人の育った家庭の資産状況を外見や雰囲気から客観的に判定する方法はありません。
礼儀正しい人が必ず裕福な家庭出身とは限らず、高級ブランド品を持つ人が多額の純資産を保有しているとも限りません。
逆に、NRIが確認した「いつの間にか富裕層」のように、純金融資産が1億円を超えても以前と同じ生活スタイルを維持する層も存在します。
資産状況は基本的に本人の私的な金融情報です。仕事上の与信判断などで資力確認が必要なら、雰囲気ではなく適切な公的・契約上の資料を基に確認する必要があります。
お金持ちの手相はある?資産形成との因果関係は確認されていない
占いでは「財運線」「太陽線」などと呼ばれる手相が金運と関連付けられることがあります。
しかし、手のひらの線から将来の資産額や投資成績を予測できるという科学的に確立された根拠はありません。
手相占いを娯楽として楽しむことと、住宅購入・投資・借入れなど金銭的な意思決定の根拠にすることは分けて考えましょう。
資産形成では収入、支出、貯蓄額、投資期間、税金、リスク許容度といった実際に確認できる数字を使うことが重要です。
「最もお金持ちな国」はGDPだけでは決まりません。平均資産では1位でも中央値では順位が大きく変わる国があります。最後のページでは2026年最新の世界資産ランキングと日本の長者番付を数字で比較します。





