融資とは?審査・金利・創業資金・返済計算・個人事業主向け制度までわかりやすく解説

融資の金利相場は?2026年9月の実例を比較

事業融資について「相場は年○%」と全国一律の数字を示すことはできません。公的融資、信用保証協会付融資、銀行ビジネスローンでは対象者も融資期間も異なるためです。

現在公表されている代表的な例を比較すると次のとおりです。

商品・制度2026年9月時点の公表金利主な特徴
日本政策金融公庫 国民生活事業・無担保(税務申告2期未満)基準利率 年3.75%~5.35%制度・条件によって特別利率あり
PayPay銀行 ビジネスローン年2.2%~14.0%変動金利、限度額最大1,000万円
GMOあおぞらネット銀行「あんしんワイド」年0.9%~14.0%融資枠最大1,000万円
りそなビジネスローン「活動力」年3.90%・6.90%・8.90%・10.90%・14.00%変動金利、保証料込み

日本政策金融公庫の金利は2026年9月1日現在の情報です。無担保で税務申告を2期終えている場合の基準利率は年3.80%~5.40%で、特別利率が適用されればこれより低くなる場合があります。

また、創業期の対象者について日本公庫は、原則として適用利率を0.65%、雇用拡大を図る場合は0.9%引き下げる「創業支援貸付利率特例制度」を案内しています。

最低金利だけで比較しない

「0.9%~14.0%」と書かれていても、申込者全員に0.9%が適用されるわけではありません。審査結果などによって実際の金利が決定します。

金利を見るときは、

  • 自分に実際に適用される金利
  • 固定金利か変動金利か
  • 保証料が金利に含まれるか
  • 融資手数料が別途必要か
  • 返済期間
  • 繰上返済手数料

まで確認しましょう。

創業資金を無担保・無保証人で借りる方法はある?

創業者だから必ず不動産担保や家族の保証人が必要というわけではありません。

日本政策金融公庫の創業融資

日本政策金融公庫では、新たに事業を始める方、または事業開始後に税務申告を2期終えていない方について、原則として無担保・無保証人で各種創業融資制度を利用できると案内しています。

代表的な「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方を対象としており、主な条件は次のとおりです。

  • 融資限度額:7,200万円
  • 設備資金:20年以内
  • 運転資金:原則10年以内
  • 据置期間:それぞれ5年以内
  • 資金使途:創業または創業後に必要な設備資金・運転資金

ただし融資限度額まで必ず借りられるわけではありません。事業計画等について審査があり、希望どおりの融資結果にならない場合があります。

信用保証協会にも無担保・無保証人の創業制度がある

民間金融機関から創業資金を借りる方法として、信用保証協会を利用する制度もあります。

「スタートアップ創出促進保証制度」は、一定の創業予定者・創業後5年未満の法人などを対象としており、主な条件は、

  • 保証限度額:3,500万円
  • 保証期間:10年以内
  • 担保:不要
  • 経営者保証:不要
  • 金利:金融機関所定
  • 保証料:通常の創業関連保証の保証料率に0.2%上乗せ

です。

税務申告を1期終えていない一定の創業者には、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を求める条件があります。

個人事業主の融資はどれがおすすめ?目的別に考える

個人事業主全員に最も適した融資はありません。必要額、資金を必要とする時期、返済期間によって候補が変わります。

創業直後なら日本政策金融公庫

新規開業・スタートアップ支援資金は個人事業主も対象となり得ます。創業期なら決算実績がなくても、創業計画を基に審査してもらえることが特徴です。

経営指導を受けている小規模事業者ならマル経融資

日本政策金融公庫のマル経融資(小規模事業者経営改善資金)は、商工会議所・商工会などによる経営指導を受け、推薦を得た一定の小規模事業者が利用できる制度です。

2026年時点では、融資限度額2,000万円、返済期間10年以内、担保・保証人は不要です。

短期の資金需要なら銀行ビジネスローンも選択肢

PayPay銀行の個人事業主向けビジネスローンは、2026年8月12日以降、年2.2%~14.0%、利用限度額10万円~1,000万円で、担保・保証人・事務手数料は不要としています。

一方、公的融資に比べ上限金利が高い商品もあるため、スピードだけでなく完済までの利息総額を比較しましょう。

「融資 個人」と「個人事業主向け融資」は別物

個人が借りる融資には、住宅ローン、教育ローン、カードローンなど生活目的のものと、個人事業主が事業資金として利用する融資があります。

資金使途が「事業性資金」と指定されているビジネスローンを、個人的な買い物や生活費に自由に利用できるとは限りません。反対に、個人向けカードローンで事業性資金の利用を認めていない商品もあります。

また、消費者金融など貸金業者から個人が借りる場合には貸金業法の総量規制が関係し、原則として貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える新規貸付けは禁止されます。銀行は貸金業法上の「貸金業者」ではないため、この総量規制がそのまま適用されるわけではありません。

融資の審査期間は?「即日」と「借入れが即時」は違う

融資審査にかかる期間にも全国共通の基準はありません。

日本政策金融公庫の国民生活事業は、申込みから融資が決まるまでの平均所要日数を2~3週間程度(土日・祝日を含む)と案内しています。ただし、条件や支店の混雑状況などによりさらに日数を要する場合があります。

銀行ビジネスローンはより短期間の商品もある

PayPay銀行では、すでにビジネスアカウントを持っている場合、ビジネスローンは申込み後最短翌営業日から利用できると案内しています。

GMOあおぞらネット銀行の「あんしんワイド」は、申込みから借入れまで最短2営業日としています。

ただし、いずれも最短の場合です。審査結果や申込み内容によって時間がかかる場合があります。

「契約後は即時入金」と「申込当日の審査完了」を混同しない

ビジネスローンでは、一度審査を受けて融資枠を契約した後なら、借入操作によって即時入金できる商品があります。

例えばPayPay銀行は、契約後の借入金について手続後に即時入金されると案内しています。

これは初めて申し込んだその日に必ず審査が終わって融資されるという意味ではありません。「即日」「即時」という広告を見るときは、何の処理にかかる時間なのか確認しましょう。

融資の返済方法|元利均等と元金均等の違い

長期の証書貸付などでは代表的な返済方法として「元利均等返済」「元金均等返済」があります。

返済方法特徴
元利均等返済元金と利息を合わせた毎回の返済額がおおむね一定になる
元金均等返済返済する元金が一定で、残高減少とともに利息・総返済額が減っていく

ビジネスローンでは残高スライド方式など、別の返済方法を採用する商品もあります。

融資返済シミュレーション|500万円を年3%・5年で借りる場合

返済額を確認するときは、融資額だけでなく金利と期間をセットで考えます。

仮に、

  • 借入額:500万円
  • 年利:3.0%
  • 返済期間:5年(60回)
  • 返済方法:元利均等返済
  • ボーナス返済・手数料なし

として理論上計算すると、毎月の返済額は約89,843円です。

60回分の合計は約539万607円となり、利息総額は概算で約39万607円となります。

実際の金融機関では、端数処理、初回返済日、日割計算、変動金利、保証料などによって結果が異なります。

返済期間を延ばせば毎月は楽になるが、利息が減るとは限らない

同じ借入金額・金利なら、返済期間を長く設定すると毎月の元利返済額は一般に小さくなります。一方、元金が残る期間が長くなるため、利息総額は増える傾向があります。

「毎月いくらまで払えるか」だけではなく、完済までの総返済額も確認しましょう。

低金利でも保証料や事務手数料が高ければ、実質的な資金調達コストは変わります。最後のページでは融資の隠れやすい費用と、融資支援サービスを利用するときの確認ポイントを整理します。