キャピタルとは?キャピタルゲイン・税金・NISA・キャピタルフライト・世界株式ファンドまで徹底解説

「キャピタル」という言葉は、投資の世界では複数の意味で使われます。株式や不動産を売却して得るキャピタルゲイン、海外へ資金が流出するキャピタルフライト、未上場ファンドのキャピタルコール、企業の増資、さらに「キャピタル世界株式ファンド」や「ICA」といった投資信託の商品名まであり、意味を取り違えやすい言葉です。本記事では2026年9月10日時点の国税庁、金融庁、財務省、会社法、国民年金基金連合会、キャピタル・グループなどの公表情報を確認し、税金・NISA・不動産・ファンドまで一つずつわかりやすく整理します。

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この記事の目次

  • キャピタルとは?投資で使われる意味
  • キャピタルゲインとインカムゲインの違い
  • 株式のキャピタルゲインと税金・確定申告
  • 損益通算・3年間の繰越控除
  • NISAならキャピタルゲインは非課税?
  • 不動産投資のキャピタルゲイン計算
  • キャピタルフライトとは?日本との関係
  • キャピタルコールの仕組み
  • 増資とキャピタルの関係
  • キャピタル世界株式ファンドとは?
  • ICA・年2回決算・日本株式ファンドの違い
  • キャピタル世界株式ファンドDCとは?

キャピタルとは?基本の意味は「資本」

英語の「Capital(キャピタル)」は、金融・経済の分野では主に資本・元本・資金といった意味で使われます。

ただし、「キャピタル○○」という言葉になると意味は大きく変わります。

用語主な意味
キャピタルゲイン資産を値上がり後に売却して得る利益
キャピタルロス資産売却による損失
キャピタルフライト経済・政治等への不安などを背景とした国外への資金移動を指す概念
キャピタルコールファンドが投資家へ約束済みの出資金の払込みを求めること
キャピタル増資一般には株式発行等によって資本を増やす増資を意味する文脈で使われる

キャピタルゲインとは?値上がりした資産を売って得る利益

キャピタルゲインとは、株式、不動産、投資信託などの資産を購入時より高い価格で売却したことによって得る利益です。

国民年金基金連合会も、株式等の有価証券の値上がりによる投資収益を「キャピタル・ゲイン」、値下がりによる損失を「キャピタル・ロス」と説明しています。

例えば100万円で購入した株式を130万円で売却し、ここでは手数料等を考えないとすると、30万円がキャピタルゲインです。

130万円-100万円=30万円

ただし、税務上の利益を計算するときは、単純な購入価格との差額だけではなく、取得費や売却手数料などを考慮します。

キャピタルゲインとインカムゲインの違い

投資収益は、大きくキャピタルゲインとインカムゲインに分けて考えることができます。

比較項目キャピタルゲインインカムゲイン
利益の発生資産を値上がり後に売却資産を保有して収益を受け取る
代表例株式・投資信託・不動産の売却益配当金・分配金・利息・家賃など
利益確定通常は売却時配当・利息等の受取時
元本割れ売却価格が取得価格を下回る可能性ありインカムを受け取っていても資産価格が下落する可能性あり

例えば100万円の株式を保有し、年間2万円の配当を受け取った後、120万円で売却したとします。単純化すると2万円がインカムゲイン、20万円がキャピタルゲインです。

どちらが優れているという関係ではありません。高配当の株式でも株価が下落する場合があり、逆に配当の少ない企業でも株価上昇によって利益が生じることがあります。

株式のキャピタルゲインにかかる税金は?

個人が課税口座で上場株式等を売却して利益を得た場合、その譲渡所得等は他の所得と分けて計算する申告分離課税が基本です。

2026年分の上場株式等の譲渡益に対する税率は、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせて20.315%です。

  • 所得税:15%
  • 復興特別所得税:0.315%
  • 住民税:5%

100万円のキャピタルゲインなら税金はいくら?

税務上の課税対象となる譲渡益が100万円だったと仮定すると、単純計算では、

1,000,000円 × 20.315% = 203,150円

です。

ただし「売却代金そのもの」に20.315%が課税されるわけではありません。

株式の譲渡所得は、おおむね売却代金-取得費-売却に直接必要となった一定の手数料等を基に計算します。

キャピタルゲインが出ても確定申告しなくてよい場合はある?

証券会社の特定口座(源泉徴収あり)を利用し、その口座内の取引だけで課税関係を完結させる場合は、原則としてその譲渡益について確定申告をしないことも選択できます。

一方、一般口座や特定口座(源泉徴収なし)を利用している場合などは、所得状況に応じて確定申告が必要になります。

また、源泉徴収ありの特定口座を利用していても、他口座との損益通算や損失の繰越控除を利用するため、あえて確定申告をするケースがあります。

キャピタルゲインとキャピタルロスは損益通算できる?

一定の上場株式等で生じた譲渡損失は、同じ区分の上場株式等の譲渡益と相殺できます。

さらに確定申告をすることで、上場株式等の譲渡損失を、申告分離課税を選択した一定の上場株式等の配当所得等と損益通算できる場合があります。

損失は翌年以後3年間繰り越せる

損益通算をしても残った一定の上場株式等の譲渡損失は、必要な確定申告を行うことで翌年以後3年間、上場株式等の譲渡所得等などから繰越控除できます。

例えば2026年に100万円の対象となる損失が残り、2027年に同じ税務区分で70万円の利益が発生した場合、要件を満たして繰越控除を利用すれば、70万円部分を前年からの損失と相殺できる可能性があります。

ただし、繰越期間中は取引がない年なども含め、原則として連続して確定申告を行う必要があります。

株式の損失を給与所得から引ける?

原則としてできません。上場株式等の譲渡損失が残っても、給与所得や一般の不動産所得などから自由に差し引くことはできません。

NISAならキャピタルゲインは非課税

NISA口座で対象商品を購入し、その商品を値上がり後に売却して得た利益は、制度の範囲内で非課税になります。

通常の課税口座では約20%の税金がかかる売却益について、NISAでは非課税になることが大きな特徴です。

2026年時点のNISAは、

  • つみたて投資枠:年間120万円
  • 成長投資枠:年間240万円
  • 年間合計:最大360万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 非課税保有限度額:合計1,800万円
  • うち成長投資枠:1,200万円まで

という制度になっています。

NISAのキャピタルロスには注意

NISAは利益が非課税になる一方、NISA口座内で売却損が発生した場合、その損失は税務上「ないもの」とみなされます。

そのため、NISAで50万円の損失が出て、特定口座で50万円の利益が出ていても、その2つを損益通算することはできません。

NISAの損失を翌年以後3年間繰り越すこともできません。

株式と不動産では、同じキャピタルゲインでも税率も計算方法も違います。さらに「キャピタルフライト」と「キャピタルコール」は意味がまったく別です。次のページで混同しやすい用語を整理します。