
SOR注文のメリット|価格改善の可能性を自動で探せる
複数市場から有利な価格を探せる
SOR注文の代表的なメリットは、東証だけでなく、証券会社が接続しているPTSやダークプールなどの価格を自動で比較できることです。
PTSでは、東証よりも細かい価格単位で注文が出される場合があります。そのため、東証の価格よりわずかに安く買えたり、高く売れたりする可能性があります。ただし、価格改善は注文時の市場状況によって生じるものであり、毎回発生するわけではありません。
市場を一つずつ確認する手間を減らせる
東証と複数のPTSの株価や注文数量を手作業で確認し、その都度注文先を選ぶのは簡単ではありません。SORを利用すれば、証券会社のシステムが定められたルールに沿って比較するため、注文操作を簡略化できます。
注文が複数市場に分割されることがある
一つの取引先に希望数量を満たす注文がない場合、SORが一部をPTS、残りを東証などへ分けて回送することがあります。
たとえば、300株の買い注文に対して、PTSに100株、東証に200株の売り注文がある場合、それぞれの市場へ注文を分けることで、全数量の約定を目指す仕組みです。実際の分割方法や回送順位は証券会社によって異なります。
SOR注文のデメリットと注意点
価格改善や約定が保証されるわけではない
SORは、注文受付時点で取得できる気配情報などをもとに回送先を判断します。しかし、注文が市場へ届くまでの間にも株価や注文数量は変動します。
表示されていた有利な注文が先に約定した場合や取り消された場合には、希望した価格で約定できないことがあります。成行注文では、市場が急変すると想定より不利な価格になる可能性もあるため、許容できる価格を限定したい場合は指値注文を検討する必要があります。
複数の取引先で部分約定することがある
SORによって注文が分割されると、同じ注文が複数回に分かれて約定する場合があります。約定価格や約定市場も一つとは限りません。
証券会社によっては、取引履歴や約定通知が複数行に分かれて表示されます。注文数量が多い場合や、約定結果を細かく管理したい場合は、平均取得単価や残りの注文数量を確認しましょう。
利用できる銘柄や注文方法に制限がある
SORに対応していない銘柄や注文条件を選択すると、注文画面の市場区分が東証などの上場市場へ自動的に変更される場合があります。
特に、逆指値、寄付・引けなどの執行条件、期間指定、特殊注文の対応状況は証券会社ごとに異なります。画面上でSORを選んだつもりでも、最終確認画面では別の市場区分になっていることがあるため、発注直前の確認が必要です。
手数料や無料条件が証券会社によって異なる
SORそのものに追加料金がかからない証券会社はありますが、すべての会社・料金プランに共通するルールではありません。
約定した市場が東証かPTSか、注文が複数市場に分かれたか、現物取引か信用取引かによって、適用される手数料や無料条件が変わることがあります。SORを選ぶだけで常に手数料が安くなるとは限らないため、現在利用中の料金プランを確認してください。
接続先が多ければ必ず有利とは限らない
比較対象となる取引先が多ければ、価格改善の機会が増える可能性はあります。ただし、接続先の数だけでSORの優劣を判断することはできません。
各市場の流動性、回送の順序、注文処理の速度、分割方法、未約定分の扱い、レイテンシー・アービトラージへの対策なども重要です。証券会社の最良執行方針やSOR取引説明書を確認し、仕組み全体を比較する必要があります。
SORとPTSの違い|システムと取引場所の違いを理解しよう
SORとPTSは一緒に説明されることが多いものの、意味は異なります。
| 項目 | SOR | PTS |
|---|---|---|
| 役割 | 注文の回送先を自動で選ぶシステム | 株式を売買する私設取引システム |
| 市場の選択 | 東証やPTSなどを自動比較 | 利用者がPTSを指定して注文する |
| 東証との比較 | 証券会社のルールに従って比較する | PTS注文だけでは自動比較されない場合がある |
| 夜間取引 | SORを選ぶだけで夜間取引になるわけではない | 証券会社によって夜間取引を利用できる |
PTSは、金融商品取引所を経由せずに株式を売買できる私設取引システムです。一方のSORは、東証やPTSなどの中から注文先を選ぶための仕組みです。
「PTSで取引したい市場が決まっている」場合にはPTSを直接指定し、「東証とPTSを比較して有利な注文先を自動で選んでほしい」場合にはSORを選ぶ、という考え方が基本です。
SOR注文とPTS夜間取引は別のサービス
SOR注文を選択しても、自動的に夜間取引へ回送されるわけではありません。多くのSORは、東証の立会時間を中心とする所定の時間内に提供されています。
夜間にPTSで売買する場合は、証券会社のPTS注文画面から、ナイトタイムセッションに対応した注文を出すのが一般的です。取引時間、対象銘柄、注文方法、値幅制限などは利用するPTSや証券会社によって異なります。
同じSORでも、接続先や初期設定、対応注文は証券会社ごとに異なります。具体的なサービス例と失敗しない比較方法は次のページで確認できます。





