
スタンダード市場の新規上場基準【2026年】
企業がスタンダード市場に新規上場するには、数値で確認できる形式要件だけでなく、事業の継続性、経営の健全性、企業内容の開示体制などに関する実質的な審査も通過する必要があります。
主な形式要件
| 項目 | スタンダード市場への新規上場基準 |
|---|---|
| 株主数 | 400人以上 |
| 流通株式数 | 2,000単位以上 |
| 流通株式時価総額 | 10億円以上 |
| 流通株式比率 | 25%以上 |
| 事業継続年数 | 3か年以前から株式会社として継続的に事業活動をしていること |
| 純資産 | 連結純資産の額が正であること |
| 利益 | 最近1年間の利益の額が1億円以上 |
| 単元株式数 | 100株となる見込みであること |
このほか、監査法人による監査、虚偽記載の有無、内部管理体制、企業経営の健全性、コーポレート・ガバナンス、情報開示の適切性などが審査されます。数値基準を満たしただけで上場が認められるわけではありません。
流通株式時価総額10億円とは?
「流通株式時価総額10億円以上」は、会社全体の時価総額が10億円以上という意味ではありません。
流通株式時価総額は、市場で実際に売買される可能性が高い流通株式の数に、株価を掛けて算出する金額です。役員が保有する株式、自己株式、大株主が保有する株式、政策保有目的と判断される株式などは、原則として流通株式から除かれる場合があります。
例えば、会社全体の時価総額が30億円あっても、創業者や親会社などの固定的な株主が大部分を保有していれば、流通株式時価総額が10億円を下回る可能性があります。
この基準が設けられているのは、投資家が必要なときに株式を売買できる流動性を確保するためです。
上場後も守る必要がある上場維持基準
スタンダード市場では、上場時だけでなく、上場後も継続して基準を満たす必要があります。主な上場維持基準は次のとおりです。
| 項目 | 上場維持基準 |
|---|---|
| 株主数 | 400人以上 |
| 流通株式数 | 2,000単位以上 |
| 流通株式時価総額 | 10億円以上 |
| 流通株式比率 | 25%以上 |
| 売買高 | 月平均売買高10単位以上 |
| 純資産 | 純資産の額が正であること |
新規上場基準には利益や事業継続年数の条件がありますが、上場維持基準では、流動性や純資産などが主な判定対象となります。
経過措置終了で上場廃止基準はどう変わった?
2025年3月以後は本来の上場維持基準を適用
2022年の市場再編時には、新しい上場維持基準を満たしていない企業に対し、緩和された経過措置が設けられていました。
しかし、経過措置の終了により、2025年3月1日以後に到来する上場維持基準の判定基準日から、本来の基準が適用されています。
スタンダード市場の場合、経過措置中は流通株式時価総額2.5億円以上、流通株式比率5%以上などの緩和された水準が使われていましたが、現在は原則として流通株式時価総額10億円以上、流通株式比率25%以上が必要です。
基準を下回っても直ちに上場廃止にはならない
判定基準日に上場維持基準を満たしていない場合でも、即日で上場廃止になるわけではありません。一般的には次の流れで手続きが進みます。
- 上場維持基準への不適合を確認
- 原則1年間の改善期間に入る
- 企業が適合に向けた計画や取組内容を開示
- 改善期間内に適合できなければ監理銘柄・整理銘柄に指定
- 原則6か月の指定期間を経て上場廃止
売買高基準については、改善期間が原則6か月です。株主数、流通株式、純資産などの基準とは期間が異なる点に注意が必要です。
一部企業には計画期限までの特別な取扱いが残る
2023年3月31日時点で、2026年3月1日以後に最初に到来する基準日を超える期限の適合計画を開示していた企業は、「超過計画開示会社」として扱われます。
該当企業については、一律に同じ日程で上場廃止を判断するのではなく、公表済みの計画期限における適合状況を確認するまで、監理銘柄指定を継続する仕組みがあります。
プライム市場から自動的に移されるわけではない
プライム市場の上場維持基準を満たせなくなった企業が、自動的にスタンダード市場へ移る制度ではありません。市場区分の変更を希望する場合は、企業が申請し、所定の審査を受ける必要があります。
2023年には、プライム市場上場会社がスタンダード市場を再選択できる一時的な措置が実施されましたが、2026年時点で同じ特例が恒常的に続いているわけではありません。
上場基準を満たしているだけでは、今後のスタンダード市場で十分とはいえません。2026年は企業価値、資本コスト、PBRへの対応が一段と重視されています。




