
騰落レシオを投資信託の判断に使える?
騰落レシオは株式市場の銘柄数から計算する指標ですが、日本株に投資する投資信託やETFの購入時期を考える補助材料として利用できます。
例えば、東証プライム市場の騰落レシオが大きく低下しているときは、日本株全体に売りが広がっている可能性があります。ただし、投資信託には運用方針の違いがあるため、騰落レシオとの連動性は商品ごとに異なります。
- 日経平均株価連動型
- TOPIX連動型
- 中小型株を中心に運用するファンド
- 高配当株を中心に運用するファンド
- 日本株と外国株を組み合わせたバランス型
東証プライム市場の騰落レシオが低くても、海外株式を中心に運用する投資信託への影響は限定的な場合があります。購入を検討している商品の投資対象と、騰落レシオの対象市場を一致させることが大切です。
積立投資では騰落レシオを気にしすぎない
毎月一定額を長期間積み立てる運用では、短期的な騰落レシオだけを理由に積立を停止すると、安い価格で購入できる機会を逃す可能性があります。
騰落レシオは、積立設定を頻繁に変更するための指標というより、相場がどの程度強気または弱気に傾いているかを理解する補助材料として使うほうが適しています。
騰落レシオを使った実践的な確認手順
1.対象市場を確認する
最初に、東証プライム、東証スタンダード、東証グロース、日経平均採用銘柄など、どの銘柄群から計算された数値なのかを確認します。
対象市場が違えば、同じ日でも騰落レシオは異なります。特に大型株中心の市場と新興株市場では、投資家心理や値動きが大きく異なることがあります。
2.計算期間を確認する
5日と25日では、数値の変化の速さが違います。短期的な反発を確認したい場合は5日、中期的な過熱感を見たい場合は25日が参考になります。
3.現在値だけでなく推移を見る
騰落レシオが90%でも、70%から90%へ上昇している場合と、120%から90%へ低下している場合では意味が異なります。
- 70%から90%へ上昇:売られ過ぎ状態から改善している可能性
- 120%から90%へ低下:過熱感が落ち着き、上昇の広がりが弱まっている可能性
現在の数値だけでなく、過去数週間のチャートを確認しましょう。
4.日経平均株価やTOPIXと比較する
株価指数と騰落レシオが同じ方向に動いている場合は、市場全体に値動きが広がっていると考えられます。
一方、株価指数が上昇しているのに騰落レシオが低下している場合は、一部銘柄に上昇が偏っている可能性があります。このような不一致は「ダイバージェンス」と呼ばれることがありますが、直ちに相場が反転するとは限りません。
5.複数の情報を組み合わせる
騰落レシオだけでなく、次の情報も確認すると、市場環境を多面的に判断できます。
- 日経平均株価やTOPIXの移動平均線
- RSIや移動平均乖離率
- 売買高と売買代金
- 新高値銘柄数と新安値銘柄数
- 為替、金利、企業業績
- 国内外の重要な経済・政治ニュース
騰落レシオで失敗しやすい3つの考え方
120%を超えたら必ず売る
強い上昇相場では、騰落レシオが120%以上でも株価上昇が続く場合があります。過熱感は相場反転の可能性を示す材料ですが、反転の時期までは示しません。
80%を下回ったら全額買う
下落トレンドでは、騰落レシオが80%を下回ってからさらに株価が下落することがあります。購入する場合でも、資金を複数回に分けるなど、価格変動への備えが必要です。
異なる市場の数値をそのまま比較する
東証プライムとNASDAQでは、銘柄数、業種構成、計算期間が異なります。サイトごとに算出条件が違う場合もあるため、絶対値だけを比べても適切な判断にはつながりません。
騰落レシオに関するよくある質問
騰落レシオ90は買い時ですか?
90%は値下がり銘柄がやや多い状態ですが、一般に強い売られ過ぎとされる70~80%以下には達していません。90%という数値だけで買い時とは判断できず、数値が上向いているか、株価指数が下げ止まっているかも確認する必要があります。
騰落レシオはリアルタイムで変わりますか?
取引時間中の値上がり・値下がり銘柄数を使えば暫定値を計算できますが、一般に掲載される25日騰落レシオは前場終了時や大引け後に更新されます。株価指数のような秒単位のリアルタイム情報とは性質が異なります。
値上がりも値下がりもしなかった銘柄はどう扱いますか?
一般的な騰落レシオの計算式では、前日終値と同じだった銘柄は分子にも分母にも含めません。売買が成立しなかった銘柄などの扱いは、データ提供元のルールを確認してください。
騰落レシオと騰落率の違いは何ですか?
騰落レシオは、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率です。騰落率は、個別銘柄、株価指数、投資信託などの価格が一定期間に何%変化したかを示します。
騰落レシオだけで株価の底を判断できますか?
騰落レシオだけで正確な底値を判断することは困難です。低い数値は売られ過ぎを示す一つの材料ですが、企業業績、金融政策、為替、海外市場などによって下落が続く可能性があります。
まとめ|騰落レシオは「相場の広がり」を確認する補助指標
騰落レシオは、一定期間の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数を比較し、市場全体の過熱感を確認する指標です。
一般に120%以上は買われ過ぎ、70~80%以下は売られ過ぎを意識する目安とされています。ただし、120%以上でも上昇が続くことがあり、80%以下でもさらに下落する可能性があります。
特に重要なのは、現在の数値だけでなく、対象市場、計算期間、過去からの推移を確認することです。日経平均株価やTOPIX、移動平均線、RSI、売買高なども組み合わせ、総合的な判断材料として活用しましょう。
※本記事は金融商品への投資を勧誘するものではありません。株式や投資信託などの金融商品には価格変動等による損失のリスクがあります。最終的な投資判断は、商品の内容やリスクを十分に確認したうえで行ってください。
<参考サイト>
日本取引所グループ / 日経平均プロフィル(日本経済新聞社) / SBI証券 / 楽天証券 / 松井証券 / 大和証券 / 野村證券 / 株探 / アセットアライブ



