
この記事でわかること
- ガソリン値上がりの5つの主要因(中東・原油・円安・OPEC・税制)
- 2026年3月に190円を突破した直接的な背景
- 補助金終了後の価格シナリオと事業者が取れる現実的な対策
ガソリン値上がりの5つの主要因
ガソリン価格の上昇は複数の要因が重なって起きています。主要因を下表に整理します。
| 要因 | 概要 | 影響の大きさ |
|---|---|---|
| 中東情勢の緊迫化 | ホルムズ海峡(世界の海上石油貿易の約27〜30%が通過)へのリスク拡大 | 極大 |
| 原油価格の高騰 | WTI原油が67ドル→119ドルへ約78%急騰(2026年3月初旬) | 極大 |
| 円安の進行 | 1ドル=140〜160円台が継続し、輸入コストが増大 | 大 |
| OPEC+の減産継続 | 供給量を絞ることで価格下落を抑制 | 中 |
| 税制構造(固定費) | 揮発油税・地方揮発油税・消費税が価格の約20%を占める(暫定税率廃止後) | 中 |
出典:NICS・ガソリン価格高騰の理由、出光興産・ガソリン値上げ理由
原油価格と円安が与える影響――数字で理解する連動構造
原油はドル建て取引のため、ガソリン価格は「原油価格(ドル)×為替レート」で決まります。1バレル100ドルでも、1ドル=100円なら1万円、1ドル=150円なら1万5,000円と5,000円のコスト差が生じます。2024〜2026年の為替は140〜160円台が続いており、この円安が輸入コストを押し上げています。
出典:出光興産
2026年3月初旬、中東での軍事衝突を契機にWTI原油が67ドルから119ドルへと約78%急騰し、日本のガソリン価格に直撃しました。
出典:NICS
OPECの減産がガソリン代に波及するメカニズム
OPEC+(石油輸出国機構+ロシアなど)は加盟国の産油量を調整して供給を制御しています。サウジアラビアとロシアが中核を担うOPEC+が減産姿勢を維持する限り、原油相場の下値支持が続きます。国内生産がほぼゼロで輸入の95%超を中東に頼る日本は、この影響を直接受ける構造です。
2026年3月に190円を突破した直接原因
2026年3月16日、レギュラーガソリン全国平均が190.8円/Lを記録し過去最高値を更新しました。直接的な要因は3点です。
- 元売り卸値26円/L引き上げ(3月12日):ENEOSが3月11日に発表し翌12〜18日分に適用
- WTI原油119ドル:中東攻撃直後に約78%急騰
- 補助金の空白:3月19日の補助金再開前で値上げ分が全て店頭価格に転嫁
その後、政府は3月19日出荷分から補助金を再開し、最高で48.1円/Lを支給した結果、5月13日現在の全国平均はレギュラー162.3円/L(5月6〜12日集計)まで下落しています。
