ガソリン価格の約20%は税金――現行税率の内訳を解説
2025年12月31日をもって揮発油税の暫定税率(25.1円/L)が廃止され、現行(2026年以降)の税率は本則のみとなりました。170円/Lを例に現行の税金内訳を示します。
| 項目 | 現行(2026年〜) | 内容 |
|---|---|---|
| 揮発油税(本則のみ) | 24.3円/L | 国税。廃止前は暫定税率24.3円を上乗せし48.6円/Lだった |
| 地方揮発油税(本則のみ) | 4.4円/L | 地方財源。廃止前は暫定0.8円上乗せで5.2円/Lだった |
| 石油石炭税(温暖化対策税含む) | 約2.8円/L | 国税。本則2.04円+温暖化対策税0.76円 |
| 消費税(10%) | 約17円/L | 本体+税金にかかる「税金の税金」構造 |
| 税金合計(現行) | 約35円/L | 価格の約20%相当 |
| 原油・精製・流通コスト | 約135円/L | 元売・スタンド利益を含む |
廃止前(〜2025年末)は揮発油税+地方揮発油税の合計が53.8円/Lで価格の約40%を占めていました。暫定税率廃止で25.1円/L軽減されましたが、補助金(最大48.1円/L)が下支えしているため、補助金終了後の動向が価格を左右します。
補助金が終わると価格はどうなる?3シナリオで試算
現行の補助金(2026年4月30日以降39.7円/L)は暫定税率の扱いに結論が出るまで継続されます。野村総研(NRI)の試算では財源残高(4月末:約9,800億円)が標準シナリオで6月29日に枯渇します。
補助金が終了した場合の価格シナリオは次のとおりです。
| シナリオ | 前提条件 | 予想価格 |
|---|---|---|
| 楽観(停戦定着) | 原油70ドル台・海峡再開 | 150円台 |
| 中立(現状継続) | 原油85〜90ドル・補助金維持 | 170円前後 |
| 悲観(全面戦争) | 原油100ドル超・海峡封鎖 | 190円台 |
出典:NICS
燃料費コストを抑えるための現実的な対策
帝国データバンクの調査では燃料費が2025年比30%増となった場合、運輸業の営業利益は平均約80%減少し、4社中1社が赤字転落する見込みです。事業者が今すぐ取れる対策は以下の3点です。
出典:帝国データバンク
1. エコドライブと車両管理の徹底
急加速・急制動を抑え、アイドリングストップ・タイヤ空気圧・エンジンオイル点検を徹底することで燃費向上が期待できます。
2. 燃料調達コストの見直し
法人向けカード(ENEOSカード・出光カード等)や共同購買で1〜3円/Lの単価削減が可能です。ルート最適化ソフトで走行距離そのものを減らすことも有効です。
3. 価格転嫁と補助金活用
燃料サーチャージ制度を活用して荷主との運賃交渉に変動分を反映させましょう。都道府県単位の中小事業者向け燃料費支援補助金の情報収集も重要です。
まとめ
ガソリン値上がりの根本には、①中東情勢による原油急騰、②円安の継続、③OPEC+の減産、④暫定税率廃止後も残る税制コスト(約35円/L)という構造的要因があります。補助金(39.7円/L)が支えている間は170円前後ですが、2026年夏以降の財源枯渇に備えた事業計画が必要です。エコドライブ・調達コスト削減・価格転嫁の3点セットで対応力を高めましょう。
