株式クラファンとは?税金・エンジェル税制・FUNDINNO・倒産リスクまでわかりやすく解説

株式クラファン(株式投資型クラウドファンディング)は、まだ上場していないスタートアップ企業などへ個人がインターネット経由で出資し、株主になれる仕組みです。「将来IPOすれば大きな利益になる?」「配当はもらえる?」「倒産したら株はどうなる?」「エンジェル税制で節税できる?」「FUNDINNOなどの業者はどう比較すればいい?」といった疑問が多い一方、上場株より換金しにくく、投資額がゼロになる可能性もあります。本記事では2026年9月10日時点の金融庁、日本証券業協会、経済産業省、中小企業庁、国税庁、各事業者の公表情報を確認し、株式クラファンの仕組み・利益・税金・エンジェル税制・業者比較・失敗しやすいポイントまで中立的に解説します。

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この記事の目次

  • 株式クラファンとは?普通のクラファンとの違い
  • 2026年の投資上限・募集上限
  • 株式クラファンで利益が出る仕組み
  • メリット・デメリット・リスク
  • 投資先が倒産したら未公開株はどうなる?
  • 株式クラファン業者の比較方法
  • FUNDINNOの特徴・審査
  • 株式クラファンの税金・確定申告
  • エンジェル税制の仕組み
  • エンジェル税制の申請方法
  • 失敗しやすいパターンと注意点

株式クラファンとは?未公開株を取得して企業の株主になる投資

「株式クラファン」は一般に株式投資型クラウドファンディングの略称です。

日本証券業協会では、株式投資型クラウドファンディングを、非上場株式の発行によってインターネットを通じて多くの人から少額ずつ資金を集める仕組みと説明しています。

投資家がお金を支払うと商品やサービスを受け取る「購入型クラウドファンディング」とは違い、株式クラファンでは原則として発行企業の株式を取得します。

クラウドファンディングの種類資金提供後に得るもの主な目的
寄付型原則として金融的なリターンなし支援・寄付
購入型商品・サービス等商品購入・プロジェクト支援
融資・ファンド型等契約に応じた分配等投資
株式投資型非上場株式企業への出資・将来の値上がり等を期待

株式という性質上、銀行預金のような元本保証はありません。会社が成長すれば大きな値上がりにつながる可能性がある一方、業績悪化や倒産によって投資金額がゼロになる可能性もあります。

2026年の株式クラファン制度|「1社50万円まで」という古い理解に注意

株式投資型クラウドファンディングは2015年に制度が始まり、その後規制が見直されています。

2026年時点の日本証券業協会の制度説明では、発行企業が株式投資型クラウドファンディングによって調達できる金額は1年間に5億円未満です。

一般投資家側についても、かつて広く知られていた「1社につき年間50万円まで」という一律上限から制度が拡充されています。

現在は同一の発行会社について、年間200万円を超えない範囲で、投資者の財産状況に応じた金額または50万円のいずれか高い額が投資上限の基本となっています。

ただし、クラウドファンディング業者が独自に一律50万円など、法令上の上限より厳しい投資上限を設定している場合があります。

項目2026年時点の制度
発行企業の調達額1年間に5億円未満
一般投資家の同一企業への投資年間200万円を超えない範囲で財産状況等に応じた上限
最低限として扱われる基準50万円との比較で高い額
業者独自の制限法令上限より低く設定される場合あり

特定投資家については一般投資家向けの投資上限規制が法令上適用されない仕組みがあります。ただし、実際の案件で業者側が上限を設定することはあります。

申込み後に気が変わったらキャンセルできる?

日本証券業協会の制度では、株式投資型クラウドファンディングによる株式取得について、申込みの日から8日間は申込みの撤回または契約の解除ができる仕組みとなっています。

ただし、具体的な操作・期限の数え方などは利用する事業者の案内を確認してください。

株式クラファンで利益が出る仕組み|最大のポイントは「EXIT」

株式クラファンでは、預金利息のように毎年一定の利益が約束されているわけではありません。

代表的な利益の発生方法は次のとおりです。

1.IPOして株式価値が上昇する

投資先企業が成長し、将来証券取引所へ上場すれば、投資時より高い価格で株式を売却できる可能性があります。

例えば10万円で取得した株式を、将来30万円で売却できれば、単純化した売却益は20万円です。

30万円-10万円=20万円

しかし、すべてのスタートアップがIPOできるわけではなく、IPOまでの時期も保証されません。

2.M&Aなどによって株式を売却する

企業が別の会社に買収されるなどした場合に、保有株式を売却できるケースがあります。

ただし、M&Aが行われれば必ず投資額以上で売却できるとは限りません。買収条件、株式の種類、投資契約などによって結果は異なります。

3.未上場のまま第三者へ売却する

未公開株は証券取引所で自由に売買できませんが、株主コミュニティなど一定の制度を利用して売買できる銘柄もあります。

例えばFUNDINNOでは、一部銘柄について「FUNDINNO MARKET」という株主コミュニティ制度を利用した売買サービスがあります。

ただし、対象となっている銘柄だけが利用でき、買い注文がなければ売却できません。発行会社の譲渡承認が必要になる銘柄もあります。

4.配当を受け取る

会社に利益があり、株主総会等で配当が決定されれば配当を受け取れる場合があります。

しかし、スタートアップ企業は利益を事業成長へ再投資するケースもあり、配当がないことも珍しくありません。

株式クラファンは「毎年配当を受け取る商品」ではありません。

株式クラファンのメリット

  • 通常は購入しにくい非上場企業へ個人が投資できる
  • 企業が大きく成長した場合、株式価値が上昇する可能性がある
  • スタートアップを株主として支援できる
  • 一定の企業への投資ではエンジェル税制を利用できる場合がある
  • IPO・M&A以外にも、一部銘柄では株主コミュニティによる売却機会がある
  • 企業から投資後の事業状況等について情報提供を受けられる

株式クラファンのデメリット・危険性

自由に売却できない

最大の特徴の一つが換金性の低さです。

東京証券取引所の上場株なら取引時間中に売却注文を出せますが、株式クラファンで取得する株式は非上場です。

日本証券業協会も「好きなときに売却することや好きなときに追加で買うことはできない」と注意喚起しています。

元本保証がない

10万円を投資したから10万円が将来返ってくるという仕組みではありません。

株式には債券のような満期・償還がなく、会社の価値が低下すれば保有株式の価値も下がります。

倒産すれば投資額がゼロになる可能性がある

日本証券業協会は、投資先企業が倒産することなどにより投資金額がゼロになることがあると明示しています。

株主は会社への出資者であり、会社へお金を貸している債権者とは立場が違います。

上場企業より情報が限定される

株式クラファン対象企業の多くは、上場会社のように有価証券報告書を継続的に公表している会社ではありません。

また、日本証券業協会は、多くの対象企業について上場会社のような公認会計士・監査法人による会計監査を受けていないと説明しています。

将来の持株比率が低下することがある

スタートアップが成長のために新株を追加発行すると、既存株主の持株比率が低下する希薄化が起こる場合があります。

例えば100株中1株を持っていれば持株比率は1%ですが、その後新株が100株発行され200株になれば、同じ1株を保有していても単純計算では0.5%になります。

株式クラファンが「失敗」になりやすい考え方

投資結果そのものを事前に予測することはできませんが、次のような判断には注意が必要です。

  • 「数年後にIPO予定」という計画を上場保証と受け取る
  • 1社だけへ資金を集中させる
  • 生活費や借入金を投資に使う
  • 会社の売上・損益・資金繰りを確認しない
  • 提示された企業価値の妥当性を考えない
  • 換金できる時期を決められると思い込む
  • エンジェル税制が使えることだけを理由に投資する
  • 事業者による審査を「利益保証」と受け取る

掲載審査を通過した会社でも、将来の成長・IPO・元本回収が保証されたわけではありません。

「有名なプラットフォームなら安全」とは限りません。一方で、登録を受けていない業者から未公開株を買うのも危険です。次のページでは正規業者の確認方法とFUNDINNOの審査を具体的に整理します。