
ゴールドのノックアウトオプションとは?
ノックアウトオプションでは金(ゴールド)の価格変動を対象に取引できるサービスがあります。
IG証券では商品ノックアウトオプションとしてスポット金を提供しており、FXTFも金(XAU/USD)の商品ノックアウトオプションを提供しています。Plus500証券でも商品系ノックアウトオプションの対象に金があります。
金価格は常に上昇するものではありません。国際的な金価格、米ドル、金利、投資需要、市場心理などさまざまな要因によって変動します。
さらにXAU/USDなど外貨建てで損益が計算される商品では、円換算するときの為替レートも最終的な損益に影響する場合があります。
金現物を買うのとはまったく違う
金のノックアウトオプションを購入しても、金地金そのものを所有するわけではありません。金価格などを原資産としたデリバティブ取引です。
そのため、現物の金を長期間保有する目的と、短期的な価格変動を利用するノックアウトオプションでは性質が大きく異なります。
ノックアウトオプションの指値とは?ノックアウト価格との違い
ノックアウト価格と指値注文は同じものではありません。
| 項目 | 主な役割 |
|---|---|
| ノックアウト価格 | 原資産が到達するとオプションがノックアウトされる損失限界水準 |
| 決済指値 | 一定の有利な水準へ到達した場合などに利益確定を目的として決済する注文 |
| 決済逆指値 | ノックアウト価格へ到達する前に損失を限定するため利用できる注文 |
IG証券のノックアウトオプションでは、注文時にノックアウト価格とロット数を決めたうえで、必要に応じて決済指値・逆指値も設定できます。
ノックアウト価格があるのに逆指値を設定する意味
ノックアウト価格は最大損失を管理する最後のラインに近い役割を持ちます。一方、逆指値をそれより手前へ設定すれば、相場が予想に反したと判断した段階で途中決済し、ノックアウト時より損失を小さくできる可能性があります。
ただし、一般的な逆指値注文には相場急変時などに指定価格からずれて約定する可能性があります。ノックアウト価格での決済保証とは仕組みが異なるため、混同しないようにしましょう。
ノックアウトオプションの税金|雑所得・申告分離課税を理解する
国内の金融商品取引業者との対象となる店頭デリバティブ取引で発生した所得は、税法上の要件を満たす場合、「先物取引に係る雑所得等」として扱われます。
国税庁によると、一定の店頭デリバティブ取引の差金等決済により生じる所得は、他の所得と区分した申告分離課税の対象です。
税率は実質20.315%
2026年分については、対象となる先物取引に係る雑所得等には、
- 所得税:15%
- 復興特別所得税:所得税額の2.1%(実質0.315%)
- 住民税:5%
がかかり、合計の税率は20.315%です。
例えば課税対象となる年間利益が100万円で、他の必要経費や損益通算などを考慮しない単純な例なら、税額の目安は20万3,150円です。
100万円 × 20.315% = 203,150円
実際の所得計算や申告要否は個人の状況によって異なるため、最終的には国税庁の最新案内や税理士へ確認してください。
ノックアウトオプションは確定申告が必要?
利益が出たからといって全員が必ず同じ条件で確定申告を行うわけではありません。
例えば、1か所から給与を受け、その給与が源泉徴収の対象となっている一般的な給与所得者の場合、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると原則として所得税の確定申告が必要になります。
ここでいう20万円は、ノックアウトオプションの売買代金ではなく「所得金額」です。また、他の対象所得があれば合計して判断します。
「20万円以下なら何もしなくてよい」とは限らない
20万円以下というルールは、一定の給与所得者に対する所得税の確定申告不要制度です。
例えば医療費控除などを受けるために確定申告をする場合には、20万円以下の所得についても合わせて申告する必要があります。また、所得税の確定申告が不要でも住民税の申告が必要になる場合があります。
損失が出た場合は3年間繰り越せる場合がある
国税庁によると、「先物取引に係る雑所得等」の計算で生じた一定の損失は、所定の確定申告を行うことで、翌年以後3年間繰り越して将来の「先物取引に係る雑所得等」から控除できる制度があります。
ただし、損失が出た年に必要な確定申告を行い、その後も継続して必要な申告をするなどの手続きがあります。
「今年は損失だけだから確定申告しなくても、3年後に自動的に控除できる」という仕組みではありません。
対象となるFX・CFDなどとの損益通算
税法上、同じ「先物取引に係る雑所得等」に区分される一定のFX、CFD、先物・オプション取引などでは、損益を通算できる場合があります。
一方、上場株式の譲渡所得など別の課税区分の損益と自由に相殺できるわけではありません。暗号資産の現物取引など、税務上別の所得区分となる取引とも区別が必要です。
年間損益報告書を確認して確定申告に備える
取引業者によっては確定申告に利用できる年間損益報告書を発行しています。IG証券では、FX・CFD等の申告に利用する年間損益報告書を電子交付すると案内しています。
取引回数が多い場合は、自分の記憶だけで年間利益を計算せず、取引履歴や年間損益報告書を保存しておきましょう。
少額でノックアウトオプションを始める前のチェックポイント
- 金融庁・財務局への登録が確認できる国内業者か
- ノックアウトされる条件を理解したか
- オプション料・最大損失額を確認したか
- 最大損失額を超える可能性がある例外条件を確認したか
- ノックアウト価格を現在値へ近づけすぎていないか
- ロット数が資金に対して大きすぎないか
- スプレッドとノックアウトプレミアムを確認したか
- 翌日へ持ち越した際のコストを確認したか
- 取引期限を確認したか
- 指値・逆指値とノックアウト価格の違いを理解したか
- 年間の損益を記録できる状態にしているか
海外の無登録業者には注意
国内でノックアウトオプションなどのデリバティブ取引を利用するときは、事業者の登録状況を確認することも重要です。
金融庁は、海外に所在する業者であっても、日本居住者を相手に金融商品取引業を行う場合には原則として日本での登録が必要であり、無登録業者との取引について注意を呼びかけています。
「海外だから国内より高いレバレッジを利用できる」といった宣伝だけで判断せず、金融庁の金融商品取引業者登録一覧を確認しましょう。
まとめ|ノックアウトオプションは「損失を決められる」ことと「簡単に勝てる」ことは別
ノックアウトオプションは、あらかじめノックアウト価格を決めることで、取引開始前に損失リスクを把握しやすい金融商品です。設定によっては通常のFX・CFDより少額の資金で取引できる場合があり、ブルとベアを使って上昇・下落の両方向を取引できます。
一方、必要資金を減らそうとしてノックアウト価格を現在値へ近づけるほど、一時的な値動きでノックアウトされる可能性も高くなります。高い資金効率は、低リスクを意味するものではありません。
また、国内サービスでもIG証券、Plus500証券、FOREX.com、FXTFでは、取扱銘柄、最低取引数量、期限、スプレッド、ノックアウトプレミアム、調整額などが異なります。「手数料無料」や「少額から」という一つの数字だけでなく、実際の総コストと最大損失条件を比較することが重要です。
税金についても、一定の国内店頭デリバティブ取引から生じる利益は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象となり、2026年分では所得税・復興特別所得税・住民税を合わせて実質20.315%です。損失を翌年以後3年間繰り越せる制度もありますが、所定の確定申告が必要です。
ノックアウトオプションを利用する場合は「いくら利益を狙えるか」より先に、「ノックアウトされたら何円失うのか」「その損失を無理なく受け入れられるか」を確認することが重要です。
※本記事は2026年9月10日時点で確認した法令、税制、金融庁および各金融商品取引業者の公式公表情報を基にした一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・取引業者への投資を推奨するものではありません。ノックアウトオプションは元本・利益が保証される商品ではなく、取引条件によって投資資金の全部または一部を失う可能性があります。取扱銘柄、スプレッド、プレミアム、期限、手数料等は変更される場合があるため、取引前に各社の最新の契約締結前交付書面・取引ルールをご確認ください。税務上の扱いは個別の状況によって異なる場合があるため、必要に応じて税務署または税理士へご確認ください。
<参考サイト>
金融庁 / 国税庁 / IG証券 / Plus500JP証券 / StoneX証券・FOREX.com / ゴールデンウェイ・ジャパン・FXTF





