実物資産とは?種類・金とプラチナ・不動産・税金・資産配分までわかりやすく解説

株式や投資信託だけでなく、金、不動産、高級時計などの「実物資産」に関心を持つ場面が増えています。しかし、実物資産ならインフレに必ず強い、富裕層ほど多く保有している、買えば節税になる、と単純に考えるのは適切ではありません。実物資産には値上がりする可能性がある一方、価格下落、売買コスト、保管、盗難、空室、税金など、金融資産とは異なる注意点があります。この記事では、2026年9月10日時点で国税庁、日本銀行、金融庁、財務省、J-FLEC、貴金属関連機関などの公表情報を確認し、種類・メリット・デメリット・税金・資産配分まで中立的に解説します。

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この記事の目次

  • 実物資産とは?金融資産との違い
  • 実物資産の種類・一覧
  • 金とプラチナの違い
  • インフレ対策として考えるときの注意点
  • 初心者が不動産投資で確認したいリスク
  • 実物資産のメリット・デメリット
  • 金・不動産などを売ったときの税金と確定申告
  • 「実物資産=節税」とは限らない理由
  • 金融資産と実物資産の割合は何%が正解?
  • 富裕層と実物資産の関係
  • 金や時計の保管・盗難リスク

実物資産とは?英語では「Real Assets」

実物資産とは、一般に形のある資産や、土地のように実体のある価値を持つ資産を指す言葉です。英語では「Real Assets(リアルアセット)」と表現されます。

代表例として、不動産、金・プラチナなどの貴金属、美術品、アンティーク、一定のコレクターズアイテムなどがあります。

ただし、「実物資産」は税法上すべてを一括して同じ扱いにするための正式な所得区分ではありません。金、不動産、美術品などでは、売却した際の税務上の扱いも異なる場合があります。

金融資産との違いをわかりやすく比較

項目実物資産金融資産
代表例土地・建物・金・プラチナ・美術品など預金・株式・債券・投資信託など
実体物理的な資産が中心金銭的な権利・契約上の価値が中心
売却のしやすさ資産によって大きく異なる上場株式など比較的売却しやすいものも多い
保管現物なら保管場所・盗難対策等が必要証券口座・銀行口座などで管理
収益値上がり益、家賃収入など利息、配当、値上がり益など

注意したいのが、実物資産そのものと、実物資産へ投資する金融商品は別物という点です。

例えば、金地金を自宅などで保有すれば実物資産ですが、金価格への連動を目指すETFを証券口座で持つ場合は金融商品です。同様にマンションそのものを購入するのと、証券取引所でREIT(不動産投資信託)を買うのとでは仕組みが異なります。

実物資産の種類を一覧で比較

実物資産として挙げられるものは幅広く、それぞれリスクも異なります。

種類主な特徴主な注意点
金世界的に取引される貴金属価格変動、為替、売買価格差、保管
プラチナ宝飾・自動車・工業用途などがある希少金属価格変動が大きくなる場合がある
銀貴金属・工業材料として利用価格変動、保管スペース、売買コスト
土地・建物自ら利用するほか、賃貸収入を得られる場合がある空室、修繕、災害、金利、価格下落など
美術品・骨董品希少性や作家、市場評価などで価格が変わる真贋、保管、流動性、評価の難しさ
高級時計一部の商品には中古流通市場があるモデルごとの価格差、状態、真贋、盗難、売買価格差
宝石・ジュエリー素材価値・品質・ブランド等が価格に影響購入価格と売却価格が大きく異なる場合がある

「おすすめの実物資産」は目的によって変わる

一律に最もおすすめできる実物資産はありません。金と賃貸不動産だけを比較しても、性質はまったく異なります。

金地金は家賃のような定期収入を生みませんが、比較的小さな単位でも保有できます。不動産は賃貸収入を得られる可能性がある一方、多額の資金が必要になりやすく、空室・修繕・管理などの問題があります。

時計や美術品は所有して楽しめるという性質もありますが、将来の売却価格を正確に予測することはできません。投資目的なら「好きだから欲しい」という判断と「資産運用として合理的か」という判断を分けて考えることが大切です。

実物資産「金」のメリットとデメリット

金は世界規模で取引される代表的な貴金属です。株式のように企業が発行するものではなく、企業の倒産によって金そのものが無価値になるという性質の資産ではありません。

一方、金も元本保証ではありません。田中貴金属も、金・プラチナ・銀について相場変動により購入価格を下回る可能性があると明記しています。

金の主なメリット

  • 世界規模の市場で取引されている
  • 株式や債券などとは異なる値動きをすることがあり、分散先の一つになり得る
  • 現物で保有することもできる
  • 長期的な購買力の保全を目的に利用される場合がある

金の主なデメリット

  • 預金利息や株式の配当のような定期的な収入を生まない
  • 短期間では価格が大きく下落する可能性がある
  • 日本円での金価格は国際金価格だけでなく為替の影響も受ける
  • 現物の場合は盗難・紛失への対策が必要
  • 小売価格と買取価格には差がある
  • 地金の大きさなどによって売買手数料がかかる場合がある

実際に田中貴金属では、金・プラチナに「小売価格」と「買取価格」を別々に設定しています。また、一定重量未満の地金には別途売買手数料が設定されています。購入直後に同じ価格で売れるとは限らないため、現物投資ではこの差もコストとして考える必要があります。

実物資産の金とプラチナは何が違う?

金とプラチナはどちらも貴金属ですが、需要構造には大きな違いがあります。

World Platinum Investment Councilによると、プラチナは自動車触媒、工業用途、宝飾品、投資など幅広い用途があります。2021~2025年では自動車用途が総需要の36~44%、工業用途が23~35%の範囲を占めています。

このため、プラチナ価格は貴金属としての投資需要だけではなく、自動車産業などの工業需要や供給動向にも影響されます。田中貴金属も、プラチナは金より市場規模が小さく、世界経済や社会情勢によって価格が大きく変動する場合があると説明しています。

比較項目金プラチナ
主な需要投資・宝飾・中央銀行・産業用途など自動車・工業・宝飾・投資など
定期収入現物自体からは発生しない現物自体からは発生しない
価格変動相場により変動相場により変動し、市場規模や産業需要の影響も大きい
元本保証なしなし
現物保管必要必要

「プラチナのほうが希少だから必ず金より高くなる」「金なら絶対に下がらない」といった判断はできません。希少性だけで将来価格は決まらず、需要・供給・為替・金利・投資家心理など多くの要因が影響します。

「実物資産ならインフレに強い」と覚えるだけでは不十分です。物価が上がっている最中でも価格が下がることはあります。次のページではその理由と、不動産投資の注意点を詳しく解説します。