ETNとは?ETFとの違い・銘柄一覧・配当・税金・リスクをわかりやすく解説

ETNのメリット

現物保有が難しい指数にも投資しやすい

ETNは裏付け資産を直接保有する必要がないため、外国人投資規制がある市場、保管しにくい商品、特殊なテーマ指数などを商品化しやすい特徴があります。

個別銘柄を一社ずつ購入せず、特定テーマや海外市場へ少額から投資できる場合があります。

償還価額と指数の連動性が明確

発行体が対象指数への連動を約束するため、管理費用を除けば、償還価額に運用上のトラッキングエラーが原則として生じません。

ただし、市場価格は償還価額と乖離する可能性があるため、「指数とのずれが一切ない」という意味ではありません。

株式と同じように売買できる

証券取引所の取引時間中であれば、成行注文や指値注文を利用できます。通常は1口単位で売買できるため、比較的少ない金額から購入できる銘柄もあります。

特定口座を利用できる

東京証券取引所へJDR形式で上場するETNは、一般の株式やETFと同様に特定口座の対象となります。源泉徴収ありの特定口座では、原則として証券会社が税額計算と納税を行います。

ETNのデメリットとリスク

発行体の信用リスク

ETNには裏付け資産がないため、発行体や保証者の財務状態が重要です。対象指数が上昇しても、信用格付けの低下や経営不安によって市場価格が下落する可能性があります。

購入前には、発行体、保証者、信用格付け、財務情報、適時開示を確認しましょう。

価格変動リスク

連動対象指数が下落すれば、ETNの償還価額と市場価格も下落します。元本保証はありません。

半導体、AI、高配当、外国株など、名称から安定している印象を受ける商品でも、株式市場や為替の変化によって大きな損失が生じる可能性があります。

市場価格との乖離リスク

取引量が少ない銘柄では、市場価格がiNAVや償還価額より大幅に高くなる、または低くなる場合があります。

特に、値幅制限によって市場価格が指数の急変へ追いつかない場面では、大きな乖離が数日間続く可能性があります。

流動性リスク

出来高や注文量が少ないと、希望価格で売買できない場合があります。成行注文を出すと、直前の価格から大きく離れた価格で約定する可能性もあります。

売買前に板情報を確認し、必要に応じて指値注文を利用する方法があります。ただし、指値注文では取引が成立しないことがあります。

満期・早期償還リスク

ETNには満期があります。満期が近づけば、長期保有を続けたくても償還されます。

一定の条件により早期償還された場合も、希望する時期まで保有できません。償還後に同じ指数へ投資し直す際、税金や売買コストが発生する可能性があります。

為替変動リスク

東証上場ETNは円建てで売買しますが、外国株などを対象とする指数では、為替変動が価額へ影響する場合があります。

円高になると、現地通貨建ての指数が上昇していても、円換算後の成果が低下する可能性があります。銘柄名に「ドルヘッジ」などの表記がある場合も、どの通貨間をどのようにヘッジする設計かを確認してください。

レバレッジ・インバース型の複利リスク

レバレッジ型やインバース型は、原指数の1日分の騰落率に一定倍率を掛けた動きを目指します。

相場が上下を繰り返すと、原指数が開始時点へ戻っても、ETNの価額が開始時点を下回る場合があります。一般に、長期保有よりも短期の値動きを捉える目的で設計された商品です。

ETNにかかる費用

売買手数料

売買時には、利用する証券会社が定める国内株式の売買手数料がかかる場合があります。手数料無料の料金プランでも、適用条件を確認してください。

管理費用

ETNには、ETFの信託報酬に相当する管理費用があります。管理費用は、対象指数のパフォーマンスから日割りで差し引かれ、償還価額へ反映されます。

投資家の口座から別途現金で徴収されるわけではありませんが、保有期間が長いほど累積する費用も大きくなります。

売買価格のスプレッド

買い気配と売り気配の差も実質的な取引コストです。売買が少ない銘柄ではスプレッドが広くなることがあります。

ETNの配当・分配金

ETNに分配金があるかどうかは、商品ごとの契約で決まります。少なくとも、東京証券取引所で上場する代表的なETNには、分配金を支払わない商品が多くあります。

「高配当」「配当貴族」「REIT」といった名称が付いていても、連動指数がネットリターン方式であれば、配当を指数内で再投資したものとして計算し、投資家には現金分配しない設計があります。

配当収入を定期的に受け取ることが目的なら、商品名だけでなく、分配金の有無、分配頻度、ネットリターン指数かどうかを確認してください。

ETNの税金

日本の取引所へJDR形式で上場するETNは、税務上、一般の上場株式やETFとおおむね同様に取り扱われます。

売却益・償還差益

個人が課税口座でETNを売却し、利益が出た場合は、原則として上場株式等の譲渡所得等として申告分離課税の対象です。

税率は所得税15%、住民税5%に加え、2037年までは復興特別所得税が加わり、合計で原則20.315%です。

償還によって受け取る金額と取得費などの間に利益が生じた場合も、課税対象になることがあります。

損益通算と繰越控除

一定の条件を満たせば、ETNの売却損を、ほかの上場株式やETFなどの譲渡益と損益通算できます。

損益通算後も残る損失は、確定申告を継続して行うことで、翌年以後3年間にわたり繰越控除できる場合があります。

NISA

ETNの中には、NISAの成長投資枠の対象となる銘柄があります。一方、レバレッジ型・インバース型などは成長投資枠の対象外です。

NISA口座で生じた売却損は、課税口座の利益との損益通算や繰越控除ができません。対象銘柄かどうかは、購入時点の最新一覧を確認してください。

税務上の扱いは、個人・法人の別や取引状況によって異なる場合があります。個別の申告は税務署や税理士へ確認してください。

ETNでおすすめを判断する7つのポイント

すべての人に共通するおすすめETNはありません。投資目的、保有期間、許容できる損失によって適した商品は異なります。

1.対象指数の中身

指数名だけでなく、構成銘柄、国、業種、選定方法、組入比率、配当の扱いを確認します。同じ半導体や高配当という名称でも、指数の設計によって値動きは異なります。

2.発行体と保証者

発行体の財務状態、信用格付け、保証者の有無を確認します。対象指数だけを見て、発行体リスクを見落とさないようにしましょう。

3.市場価格とiNAVの乖離

市場価格がiNAVより大幅に高い状態で購入すると、価格差の縮小だけで損失が発生する可能性があります。

4.出来高とスプレッド

売買代金、板の厚さ、買い気配と売り気配の差を確認します。出来高が少ない場合は、少額の注文でも価格が動く可能性があります。

5.管理費用

同じような指数へ投資するETFや投資信託がある場合は、管理費用だけでなく、売買手数料、スプレッド、為替コストも比較します。

6.満期と早期償還条件

長期投資を考えている場合は、満期までの年数を確認します。満期が近い商品では、意図しない時期に投資を終了することになります。

7.レバレッジの有無

「ダブル・ブル」「ベア」「インバース」と記載された商品は、通常型とは値動きが大きく異なります。長期の累積騰落率が単純な2倍やマイナス1倍にならないことを理解してから利用してください。

ETNに関する紛らわしい言葉

米国株のETNは別の意味

米国株の銘柄コードやティッカーとして表示される「ETN」は、電力管理機器などを扱うEaton Corporation plcを指します。

Exchange Traded NoteのETNとは別です。「ETN 株価」と入力した場合、上場投資証券ではなく、米国企業イートンの株価が表示されることがあります。

ETN21は金融商品とは限らない

「ETN21」は、オムロンのEthernetユニット「CJ1W-ETN21」など、工業機器の型番としても使用されています。金融商品のETNを示すとは限りません。

ETN弐番館のような名称

「ETN弐番館」のようにETNを含む建物名や固有名詞が表示される場合も、金融商品のExchange Traded Noteとは別です。

金融商品を確認するときは、4桁または数字とアルファベットを組み合わせた証券コード、正式な銘柄名、連動対象指数、発行体を確認しましょう。

ETNに関するよくある疑問

ETNは株ですか?

株式ではありません。金融機関が発行する指標連動型の債券です。ただし、証券取引所へ上場しているため、株式と同じような方法で売買できます。

ETNは元本保証ですか?

元本保証ではありません。対象指数の下落、為替変動、発行体の信用悪化、市場価格の乖離などによって元本割れする可能性があります。

ETFよりETNのほうが安全ですか?

一律には判断できません。ETNは指数との連動性に特徴がありますが、発行体の信用リスクがあります。一般的な現物型ETFには発行体リスクが直接及びにくい一方、価格変動や流動性などのリスクがあります。

高配当ETNなら配当金を受け取れますか?

必ず受け取れるわけではありません。高配当株を対象とする指数へ連動していても、分配金を支払わず、配当の影響を指数値へ反映する商品があります。

ETNは長期投資に向いていますか?

通常型ETNは、対象指数、管理費用、満期、発行体リスクを理解したうえで長期保有を検討できます。ただし、レバレッジ型・インバース型や先物型は、複利効果やロールオーバーの影響があるため、一般に長期保有には慎重な判断が必要です。

ETNの価格はどこで確認しますか?

証券会社の取引画面で市場価格と板情報を確認できます。東京証券取引所や発行会社が公表する一証券当たり償還価額、iNAV、残存償還価額総額も合わせて確認しましょう。

まとめ:ETNは指数だけでなく発行体と市場価格も確認しよう

ETNとは、金融機関が発行する債券で、償還価額が株価指数や商品指数などへ連動することを目指す上場商品です。東京証券取引所ではJDR形式で上場し、国内株式と同じ証券口座から円建てで売買できます。

ETFとの大きな違いは、ETNには原則として裏付けとなる現物資産がなく、発行体の信用リスクがあることです。指数が上昇していても、発行体の財務悪化や市場価格の乖離によって損失が発生する可能性があります。

ETNを購入する際は、対象指数だけでなく、発行体、保証者、償還日、管理費用、分配金の有無、出来高、スプレッド、市場価格とiNAVの差を確認しましょう。

特に2046のようなレバレッジ型ETNは、1日当たりの騰落率の倍率を目指す商品であり、長期間の値動きが原指数の単純な2倍になるわけではありません。半導体や高配当など、わかりやすい名称だけで判断せず、指数の設計とリスクを理解することが重要です。

本記事は、ETNに関する一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品、銘柄、発行会社、売買方法を推奨するものではありません。ETNには価格変動、信用、為替、流動性、乖離、早期償還、上場廃止などのリスクがあり、元本割れや無価値となる可能性があります。実際の取引では、有価証券届出書、目論見書、契約締結前交付書面、商品説明資料、手数料、リスク説明を確認し、ご自身の資産状況、経験、目的、損失許容度に基づいて判断してください。

<参考サイト>

日本取引所グループ(JPX) / 国税庁 / 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 / NEXT NOTES / 野村證券 / マネックス証券 / Eaton Corporation

“`