
「ロールオーバー」は、NISA、FX、先物取引などで使われる言葉ですが、分野によって意味が異なります。特に注意したいのが、旧一般NISAで保有する株式や投資信託です。2024年からのNISAへ直接移すことはできず、非課税期間が終わると課税口座へ払い出されます。本記事では、ロールオーバーの基本から、できない場合にどうなるのか、売却を検討する際の注意点、ジュニアNISA、FXのスワップポイント、先物取引の限月乗り換えまで、制度ごとの違いをわかりやすく整理します。

この記事の主な内容
- ロールオーバーの基本的な意味
- 旧NISAから2024年以降のNISAへ移行できるか
- ロールオーバーできない場合の課税口座への移管
- 売却するタイミングを考える際の注意点
- ジュニアNISA、SBI証券、楽天証券での扱い
- FXのロールオーバーとスワップポイント
- 先物取引における限月の乗り換え
ロールオーバーとは資産やポジションを次の期間へ繰り越すこと
ロールオーバーとは、簡単にいえば、一定の期限を迎える資産や取引上のポジションを、次の期間へ引き継ぐことです。ただし、どの金融商品でも同じ仕組みが使われているわけではありません。
| 使われる分野 | ロールオーバーの意味 |
|---|---|
| 旧一般NISA | 非課税期間が終わる商品を翌年の旧一般NISA枠へ移すこと |
| FX | 未決済の建玉の決済日を翌営業日以降へ繰り延べること |
| 先物取引 | 期限が近い限月を決済し、期限が先の限月へ乗り換えること |
このように、NISAでは「非課税で保有する期間の延長」、FXでは「決済日の繰り延べ」、先物取引では「限月の乗り換え」という意味で使われます。
旧NISAのロールオーバー制度は終了している
以前の一般NISAでは非課税期間を延長できた
2023年までの一般NISAでは、購入した株式や投資信託を最長5年間、非課税で保有できました。以前は5年間の非課税期間が終わる際、翌年分の一般NISAの非課税管理勘定へ資産を移すことができました。これがNISAにおけるロールオーバーです。
ロールオーバー時の時価が当時の年間投資上限額を超えていても、対象資産の全部を翌年の一般NISAへ移すことが認められていました。ただし、ロールオーバーした金額によって翌年分の投資枠を使用するため、新たに投資できる金額が少なくなる場合がありました。
旧つみたてNISAにはロールオーバーがなかった
旧つみたてNISAの非課税保有期間は購入年から最長20年間です。旧一般NISAとは異なり、非課税期間終了後に別の年の非課税枠へ移すロールオーバーの仕組みはありません。
2023年までに旧つみたてNISAで購入した商品は、購入した年ごとに20年間の非課税期間が続きます。例えば、2023年に購入した商品は2042年末まで非課税で保有できます。
旧NISAから新NISAへのロールオーバーはできない
2024年から始まったNISAは、2023年までの一般NISAやつみたてNISAとは別の制度です。そのため、旧NISAで保有している株式や投資信託を、2024年以降のNISA口座へそのまま移管することはできません。
旧NISAの商品は、それぞれの非課税期間が終了するまで旧制度の口座内で保有できます。2024年以降のNISAの非課税保有限度額である1,800万円とは別枠で管理されるため、旧NISAの保有額が新しいNISAの総枠を減らすことはありません。
一般NISAの非課税期間が終わる年
| 一般NISAで購入した年 | 非課税で保有できる最終年 | 売却しなかった場合 |
|---|---|---|
| 2021年 | 2025年末 | 2026年に課税口座へ払い出し |
| 2022年 | 2026年末 | 2027年に課税口座へ払い出し |
| 2023年 | 2027年末 | 2028年に課税口座へ払い出し |
2026年時点では、2022年に一般NISAで購入した商品が2026年末に非課税期間を終えます。保有商品の購入年は、証券会社の旧NISA残高画面や取引報告書などで確認しておくことが大切です。
非課税期間終了後に損をしないためには、課税口座へ移った後の取得価額の扱いを知っておく必要があります。具体例は次のページで確認しましょう。




