
「お金持ちは資産いくらから?」「日本では何パーセント?」「どんな職業ならお金持ちになりやすい?」「本当に質素な人が多い?」「節税にはどんな方法がある?」など、お金持ちに関する疑問は多岐にわたります。しかし、お金持ちという言葉には法律上の統一された基準がなく、年収が高い人と資産を多く持つ人も同じではありません。本記事では2026年9月10日時点の野村総合研究所(NRI)、国税庁、金融庁、厚生労働省、UBS、Forbes JAPANなどの公表情報を確認し、日本の富裕層割合、職業別年収、資産形成、合法的な税負担軽減策、家や生活習慣にまつわるイメージまで、事実と俗説を分けながらわかりやすく解説します。

- お金持ちの定義・資産はいくらから?
- 日本のお金持ちは何パーセント?
- お金持ちと高年収の違い
- お金持ちに多い職業はある?
- お金持ちの特徴・共通点・習慣
- お金持ちは本当に質素?
- お金持ちになる方法と手順
- お金持ちが利用できる節税・非課税制度
- お金持ちの家・間取りに共通点はある?
- お金持ち育ちは雰囲気で見分けられる?
- お金持ちの息子・娘と相続・贈与
- お金持ちの国ランキング
- 日本のお金持ちランキング
- お金持ちの手相は本当にある?
お金持ちの定義とは?法律上の「○円以上」はない
日本には「資産が○円以上ならお金持ち」という法律上の統一基準はありません。
日常会話では、高収入の人、多額の預金を持つ人、不動産を多く所有する人、会社の株式を大量に持つ経営者などが広く「お金持ち」と呼ばれます。
一方、資産額を客観的に比較するときによく参照されるのが、野村総合研究所(NRI)の「純金融資産保有額別の世帯分類」です。
NRIは、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険・年金保険などの金融資産から負債を差し引いた純金融資産を基準として、世帯を5段階に分類しています。
| 分類 | 純金融資産保有額 | 2023年推計世帯数 |
|---|---|---|
| 超富裕層 | 5億円以上 | 11.8万世帯 |
| 富裕層 | 1億円以上5億円未満 | 153.5万世帯 |
| 準富裕層 | 5,000万円以上1億円未満 | 403.9万世帯 |
| アッパーマス層 | 3,000万円以上5,000万円未満 | 576.5万世帯 |
| マス層 | 3,000万円未満 | 4,424.7万世帯 |
この定義を一つの目安にするなら、純金融資産1億円以上が「富裕層」です。ただしNRI独自の調査分類であり、日本政府が定めた「お金持ち認定基準」ではありません。
1億円の家を持っていたら富裕層?
NRIの純金融資産分類では、自宅などの実物不動産をそのまま金融資産に加えて判定するわけではありません。
例えば時価1億円の住宅を所有していても、多額の住宅ローンが残っていて金融資産が少ない世帯と、賃貸住宅に住みながら預貯金・株式等を1億円以上保有している世帯では、資産の構造が異なります。
「豪華な家に住んでいる=純金融資産も多い」とは限らないことを覚えておきましょう。
日本のお金持ちの割合は何パーセント?
NRIの2023年推計を基にすると、5階層の合計は約5,570.4万世帯です。
このうち富裕層153.5万世帯と超富裕層11.8万世帯を合計すると165.3万世帯となります。
165.3万世帯 ÷ 5,570.4万世帯 × 100 = 約2.97%
つまり、NRIの「純金融資産1億円以上」という定義では、日本の約3%の世帯が富裕層・超富裕層に相当する計算です。
ただしこれは個人ではなく世帯単位です。「日本人100人のうち約3人がお金持ち」という意味ではありません。
| 純金融資産 | 世帯割合の目安 |
|---|---|
| 5億円以上 | 約0.21% |
| 1億円以上5億円未満 | 約2.76% |
| 5,000万円以上1億円未満 | 約7.25% |
| 3,000万円以上5,000万円未満 | 約10.35% |
| 3,000万円未満 | 約79.43% |
NRIによると、富裕層・超富裕層の純金融資産総額は2023年時点で合計469兆円と推計されています。
お金持ちの言い換え|「富裕層」と「高所得者」は同じではない
お金持ちを表す言葉には複数ありますが、意味には少しずつ違いがあります。
| 言い換え | 主なニュアンス |
|---|---|
| 富裕層 | 多くの資産を保有する層 |
| 資産家 | 金融資産・不動産・事業資産などを多く持つ人 |
| 高所得者 | 年間所得・年収が高い人 |
| 富豪 | 非常に大きな資産を持つ人を表す一般的な言葉 |
| 富裕世帯 | 世帯単位で多くの資産を保有する家庭 |
| wealthy / affluent | 英語で裕福・富裕という意味で使われる表現 |
特に重要なのが、高年収と資産家は別という点です。
年収2,000万円でも支出や負債が非常に大きければ純資産は少ない場合があります。一方、年間給与がそれほど高くなくても、長期間の貯蓄・投資によって多額の資産を築いている人もいます。
お金持ちの職業は?職業だけでは決まらない
厚生労働省の「職業情報提供サイト job tag」では、2025年の賃金構造基本統計調査を基に各職種の年収参考値を公表しています。
代表例を比較すると次のとおりです。
| 職業 | 全国の年収参考値 |
|---|---|
| パイロット | 1,631.8万円 |
| 内科医 | 1,512.3万円 |
| 弁護士 | 981.1万円 |
| ITプロジェクトマネージャ | 889.0万円 |
| 公認会計士 | 810.8万円 |
| 住宅・不動産営業 | 660.7万円 |
job tagの年収は、対応する職業分類の賃金構造基本統計調査を加工した数値であり、その職業に就くすべての人の年収を保証するものではありません。勤務先、経験、役職、働き方による差もあります。
日本の会社員全体の平均給与は?
国税庁の最新公表済み「令和6年分民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した民間給与所得者の平均給与は478万円でした。
ただし、国税庁の民間給与統計とjob tagの職業別統計では調査方法・対象が異なるため、単純なランキングとして比較するものではありません。
高収入の職業なら必ずお金持ちになる?
なりません。お金持ちになるかどうかは年収だけでなく、税金・生活費・住宅費・負債・貯蓄率・資産運用などによって変わります。
また、世界的な大富豪や日本の長者番付上位には、給与ではなく自らが保有する企業株式の価値によって巨額の資産を持つ経営者・創業者が多くいます。
「高い給料をもらうこと」と「価値が成長する資産を保有すること」は、資産形成上では別の仕組みです。
お金持ちの特徴・共通点・習慣はある?
すべてのお金持ちに共通する性格・生活習慣を示す公的な統計はありません。
一方、NRIは近年、一般会社員が株式等の値上がりによって純金融資産1億円以上となった層を「いつの間にか富裕層」と呼んで分析しています。
この層では、40代後半から50代の一般会社員を中心に、従業員持株会、確定拠出年金、NISAなどで保有していた資産が増え、富裕層となった例が多く確認されています。
さらにNRIによると、こうした人の中には金融資産が増加した後も、給与収入の範囲内で従来と大きく変わらない生活スタイルを続けている人がいます。
お金持ちは質素って本当?全員には当てはまらない
「本当のお金持ちは質素」という言葉を見かけますが、すべての富裕層が質素であるという統計的事実はありません。
NRIが分析する「いつの間にか富裕層」には、資産が増えても以前と大きく生活を変えない人がいる一方、別の高所得共働き層については不動産や高級消費財などを積極的に購入する傾向も紹介されています。
つまり、富裕層の消費行動も一様ではありません。
「ブランド品を持っていないからお金持ち」「高級車に乗っているから本物の富裕層」と外見だけで判断することはできません。
お金持ちになる方法|再現可能性を考える5つの手順
確実にお金持ちになれる方法はありません。しかし、資産額を増やす基本構造はシンプルです。
純資産 = 保有資産 - 負債
この純資産を長期的に増やすには、収入を増やすだけでなく、支出・負債・運用を同時に管理する必要があります。
手順1|現在の純資産を計算する
預貯金だけを見るのではなく、株式、投資信託、保険、負債などを一覧にします。
例えば金融資産3,000万円、ローン1,000万円なら純金融資産は2,000万円です。
手順2|収入と支出の差を増やす
資産形成へ回せる金額は、おおむね「手取り収入-生活支出」で決まります。
収入を上げても生活水準が同じだけ上がれば、資産形成に回せる金額は増えません。
手順3|高い金利の負債を確認する
投資を始める一方で高金利の借入れを抱えていると、運用益以上の利息を支払う場合があります。
借入れがある場合は金利、残高、返済期間を把握し、投資との優先順位を考えましょう。
手順4|長期・積立・分散で資産形成する
金融庁は安定的な資産形成の基本として、長期・積立・分散投資を案内しています。
短期間で大きな利益を狙うほど、大きな損失が発生する可能性もあります。「最短でお金持ち」という広告だけで高リスク商品を選ばないことが重要です。
手順5|税引後の資産額で考える
利益が出ても、課税口座では税金が発生する場合があります。
運用利回りだけでなく、税金・手数料を差し引いた後にいくら残るかを確認しましょう。
「お金持ちは特別な方法で税金を払わない」というイメージは正確ではありません。実際には誰でも使える非課税・控除制度も多くあります。次のページでは合法的な税負担軽減策と、豪邸・育ちにまつわる俗説を整理します。




