
利息がつかない預金があるのはなぜ?「決済用預金」は無利息が条件
銀行預金なのに利息がつかない代表例が決済用預金です。
金融庁によると、決済用預金として扱われるためには、次の3つの要件を満たす必要があります。
- 振込みや口座振替などの決済サービスに利用できる
- 預金者がいつでも払戻しを請求できる
- 利息が付かない
無利息であることは不具合ではなく、決済用預金としての制度上の条件です。
無利息の代わりに預金保険で全額保護される
決済用預金には大きな特徴があります。金融機関が万一破綻した場合でも、預金保険制度により全額保護されます。
これに対して、利息のつく普通預金や定期預金などの一般預金等は、対象となる金融機関について、預金者1人当たり1金融機関ごとに合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護対象です。
元本1,000万円を超える部分は、破綻した金融機関の財産状況によっては全額が戻らない可能性があります。
普通預金なのに利息が入らない場合は?
一般の利息付き普通預金でも、残高、適用金利、預入日数、銀行所定の計算単位や端数処理によって、受け取る利息が非常に少なくなることがあります。
また、決済用普通預金へ切り替えている場合は無利息です。「以前は利息が入っていたのに入らない」という場合には、口座の商品区分と現在の適用金利を確認するとよいでしょう。
利息の高い銀行はどこ?2026年9月の普通預金金利を例示
普通預金金利は金融情勢に応じて変更されるため、「常にこの銀行が一番高い」と固定的に決めることはできません。また、通常金利と条件付き優遇金利をそのまま比較すると誤解につながります。
以下は2026年9月10日時点で各社公式情報から確認できる代表例です。ランキングではなく、金利差や条件を理解するための参考としてご覧ください。
| 銀行・サービス | 公式に公表されている普通預金金利の例 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 三井住友銀行 | 年0.400% | 普通預金標準金利。2026年9月9日現在 |
| 三菱UFJ銀行 | 年0.4000% | 普通預金。公式金利ページで2026年8月13日現在として掲載 |
| 楽天銀行 | 通常 年0.40%、マネーブリッジで最大年0.48% | 年0.48%はマネーブリッジ利用時の1,000万円以下の部分。2026年9月1日時点 |
| MATSUI Bank | 年0.51%~0.75% | 松井証券口座内の対象証券残高等によるランク制。2026年7月6日現在 |
| auじぶん銀行 | 円普通預金 最大年0.75% | 所定の優遇条件による。公式サイトで2026年9月9日現在として掲載 |
楽天銀行では、通常の普通預金は2026年9月1日時点で年0.40%ですが、楽天証券との口座連携「マネーブリッジ」を設定した場合、普通預金残高1,000万円以下の部分について年0.48%の優遇金利が案内されています。
MATSUI Bankでは、松井証券口座の対象証券残高が100万円未満のレギュラーランクは年0.51%、100万円以上のゴールドランクは年0.62%、1,000万円以上のプラチナランクは年0.75%とされています。適用には所定の条件があります。
また、auじぶん銀行では2026年9月9日時点で円普通預金の最大金利を年0.75%と案内しています。さらに新規口座開設者向けには、条件を満たすと最長1年間、円普通預金が年1.00%相当となる期間限定施策も案内されています。
キャンペーン金利や優遇金利は「誰でも無条件で適用される通常金利」とは限りません。対象残高、証券口座との連携、カード利用、給与受取、新規口座開設期間などを確認して比較する必要があります。
金利だけで銀行を選ばない
仮に普通預金金利が0.1ポイント違っていても、預金額によって実際の利息差は変わります。
例えば100万円を1年間預け、単純に年0.4%と年0.5%を比較すると、税引前では次の差です。
- 年0.4%:4,000円
- 年0.5%:5,000円
- 差:年間1,000円(税引前)
銀行を比較するときは、金利だけでなく、ATM手数料、振込手数料、優遇条件を維持するために必要な取引、預金保険制度の対象かどうかなども確認すると判断しやすくなります。
高金利の「定期預金」と普通預金は分けて比較する
「年1%以上」といった金利が表示されていても、それが普通預金とは限りません。
例えば三井住友銀行では2026年9月9日時点で普通預金標準金利が年0.400%である一方、期間の長い定期預金では異なる金利が設定されています。また、銀行によっては期間限定の定期預金キャンペーンもあります。
定期預金は普通預金より高い金利が設定される場合がありますが、満期前に解約すると当初の金利が適用されず、中途解約時の金利へ変更される商品があります。
「表示金利が一番高い」という理由だけでなく、いつ使う予定のお金なのかも考えて選ぶ必要があります。
利息の勘定科目は?受取利息と支払利息の基本
事業の帳簿で利息を処理する場合は、受け取った利息なのか、借入金について支払った利息なのかによって扱いが異なります。
| 内容 | 一般的に使われる科目・税務上の考え方 |
|---|---|
| 法人が銀行預金などから受け取った利息 | 「受取利息」など |
| 事業のための借入金について支払った利息 | 「支払利息」など |
| 個人事業主が預金から受け取った一般的な利息 | 税務上は事業所得ではなく利子所得として区分して考える |
国税庁は、業務用資産の購入など、業務のために借りた資金の利息について、原則として事業所得などの必要経費になると説明しています。
一方、借入金の返済では元本返済部分と利息部分を区別する必要があります。元本を返しただけの金額は通常、それ自体が必要経費になるわけではありません。
また、個人事業主が銀行から受け取る一般的な預金利息は、税務上は事業の売上ではなく利子所得として扱われます。帳簿上の具体的な科目設定は事業形態や使用する会計ソフトによって異なるため、個別の仕訳は税理士や会計ソフトの公式案内も確認してください。
利息計算で間違えやすいポイントを最終確認
- 利息は実際に受け取る・支払う金額
- 金利は元本に対する利息の割合
- 利回りは投資金額に対する収益全体の割合
- 単利は元本だけ、複利は発生した利息も含めて次の利息を計算する
- 普通預金の実際の利息は残高、適用期間、銀行所定の計算方法で変わる
- 個人の国内預貯金利息には2026年時点で原則20.315%の税金がかかる
- 一般的な国内預貯金利息は利子所得で、源泉分離課税により原則として確定申告できない
- 非営業用貸金から個人が受け取る利息は雑所得に該当する
- 利息制限法の上限は元本に応じて年15%・18%・20%
- 2026年4月1日~2029年3月31日の民法上の法定利率は年3%
- 前払い・天引き利息では実際に手元へ入る金額も確認する
- 決済用預金は制度上、無利息であることが要件
- 利息付き普通預金などは預金保険の対象であれば1金融機関1人当たり元本1,000万円までとその利息等が保護される
- 銀行の優遇金利・キャンペーン金利は適用条件と終了時期まで確認する
まとめ|利息は「金利の数字」だけでなく税金・期間・計算方法まで確認しよう
利息計算の最も基本的な考え方は「元本×金利」ですが、実際には預入期間や借入期間、単利・複利、元本残高の変化、税金、端数処理などによって結果が変わります。
預金の場合は、表面上の金利がそのまま手取り利回りになるわけではありません。2026年時点では、個人が国内の銀行から受け取る一般的な預金利息には原則20.315%の税金が源泉徴収されます。
借入れの場合は、返済シミュレーションだけでなく利息制限法も重要です。上限金利は元本によって年15%~20%であり、手数料など別の名称が付いていても法律上利息として扱われる場合があります。
また、「利息の高い銀行」を比較するときは最高金利だけを見るのではなく、通常金利なのか条件付き金利なのか、対象残高はいくらまでか、キャンペーン終了後は何%になるのかまで確認しましょう。利息を正しく理解すれば、預金でも借入れでも金額だけに惑わされず、実際のメリットと負担を比較しやすくなります。
※本記事は2026年9月10日時点で確認した法令・税制・各金融機関等の公式公表情報に基づく一般的な解説です。預金金利、キャンペーン、税制等は変更される場合があります。具体的な契約、税務申告、会計処理については最新の公式情報および個別の条件をご確認ください。
<参考サイト>
国税庁 / 金融庁 / 法務省 / e-Gov法令検索 / 金融経済教育推進機構 J-FLEC / 金融広報中央委員会 知るぽると / 全国銀行協会 / 日本銀行 / 三井住友銀行 / 三菱UFJ銀行 / 楽天銀行 / auじぶん銀行 / 松井証券 MATSUI Bank / ドコモSMTBネット銀行





