米国AI関連株は「AIを作る企業」だけではない
AI関連株には、AIモデルを開発する企業だけでなく、計算処理に使う半導体、クラウド、通信設備、メモリ、データセンター向け電力設備などを提供する企業も含まれます。
AI関連株の主な分類
| 分類 | 代表的な米国上場企業の例 | 確認したい項目 |
|---|---|---|
| AI半導体 | NVIDIA、AMD、Broadcom | データセンター売上高、供給能力、粗利益率 |
| クラウド | Microsoft、Amazon、Alphabet | クラウド売上高、成長率、設備投資額 |
| AIソフトウェア | Palantir、ServiceNow、Oracle | 契約残高、継続収益、顧客数 |
| 半導体製造装置 | Applied Materials、Lam Research、KLA | 受注、地域別売上高、設備投資サイクル |
| メモリ・ストレージ | Micron Technology、Western Digital、Seagate Technology | 販売価格、在庫、データセンター需要 |
「AI関連株の本命」という言葉だけで企業を選ぶのではなく、AI需要がその企業の売上高や利益にどの程度反映されているかを確認することが重要です。
エヌビディア株の今後を左右するポイント
NVIDIAは、AIの学習や推論に使用されるGPUを提供する代表的な半導体企業です。2026年4月26日までの四半期では、売上高が816億ドル、データセンター部門の売上高が752億ドルとなり、いずれも過去最高を記録しました。
一方、好業績がそのまま株価上昇につながるとは限りません。株価には将来の成長期待が先に織り込まれている場合があるためです。
2026年のエヌビディア株を見る際は、次の項目が重要になります。
- 大手クラウド企業のAI設備投資が継続するか
- 新型GPUの生産と供給が計画どおり進むか
- 競合半導体や顧客企業の独自チップが普及するか
- 中国向け輸出規制が売上高へ与える影響
- 粗利益率を維持できるか
NVIDIAは2027年度第2四半期の会社見通しにおいて、中国向けデータセンター用コンピューティング製品の売上高を想定に含めていません。AI需要だけでなく、輸出規制や販売地域の変化も確認する必要があります。
米株の半導体銘柄は役割ごとに分けて考える
半導体株といっても、すべての企業が同じ製品を作っているわけではありません。
- 設計:NVIDIA、AMD、Qualcomm、Broadcom
- メモリ:Micron Technology
- 製造装置:Applied Materials、Lam Research、KLA
- アナログ・組み込み:Texas Instruments、Analog Devices
- CPU・総合半導体:Intel
AI向けGPUが好調でも、スマートフォン、自動車、産業機器向け半導体が同じように成長するとは限りません。売上高の用途別構成や主要顧客を確認することで、その企業がどの市場サイクルの影響を受けやすいかを把握できます。
米株のメモリ銘柄が注目される理由
AIサーバーにはGPUだけでなく、大量のデータを高速処理するためのHBMやDRAM、NANDなどのメモリが必要です。Micron Technologyは2026年6月に発表した2026年度第3四半期決算で過去最高の業績を報告し、AI時代におけるメモリ需要の拡大を説明しています。
ただし、メモリ市場は供給量と販売価格の変動が大きい業界です。需要が伸びていても、各社が生産能力を急速に増やすと、将来的に需給が緩んで価格が下落する可能性があります。
米国の宇宙関連株には異なる事業モデルがある
米国の宇宙関連銘柄は、ロケット打ち上げだけでなく、人工衛星、通信、宇宙機部品、防衛、地球観測などに分かれます。
- Rocket Lab:ロケット打ち上げ、人工衛星、衛星部品
- AST SpaceMobile:人工衛星と一般的なスマートフォンを直接接続する通信網
- Redwire:宇宙インフラ、衛星部品、航空・防衛技術
- Intuitive Machines:月面輸送や月関連サービス
宇宙関連企業では、将来の市場規模だけでなく、受注残高、契約相手、打ち上げ実績、開発費、手元資金を確認することが大切です。開発の遅延や追加資金の調達によって、既存株主の持分が希薄化する場合もあります。
米株の低位株は「割安株」とは限らない
株価が低いことと、企業価値に比べて割安であることは別の話です。1株5ドル以下の銘柄はペニー株と呼ばれることがありますが、価格が安いだけで上昇余地が大きいとは判断できません。
低位株は出来高が少なく、わずかな売買でも価格が大きく動く場合があります。企業情報が少ない銘柄や店頭市場で取引される銘柄は、価格操作や虚偽情報の影響を受けるリスクにも注意が必要です。
低位株を確認する際は、株価よりも次の項目を優先しましょう。
- 時価総額と発行済み株式数
- 売上高や営業キャッシュフローの有無
- 増資や転換社債による希薄化の可能性
- 取引量と売買価格の差
- SECへの提出書類が継続的に公開されているか
ナスダック100の構成銘柄は変更される
ナスダック100は固定された指数ではなく、時価総額や上場要件などに基づいて定期的に見直されます。
2026年6月の定期変更では、次の5社が追加されました。
- Astera Labs
- CoreWeave
- Nebius Group
- Rocket Lab
- Teradyne
一方、Charter Communications、Cognizant Technology Solutions、Insmed、Verisk Analytics、Zscalerの5社が除外されています。
指数への採用は企業の将来性を保証するものではありません。採用時点ですでに株価が大きく上昇している場合や、次回以降の見直しで除外される場合もあります。
注目分野がわかっても、株価が割高かどうかを判断できなければ高値づかみにつながります。次ページでは、PER、決算、リアルタイムチャートを使った比較方法と分散投資の考え方を解説します。




