ステーブルコインとは?種類・仕組み・買い方からJPYC・SBI・メガバンクの2026年最新動向まで解説

ステーブルコインの買い方

国内でステーブルコインを購入する場合は、金融庁に登録された取扱事業者を利用する方法が基本です。海外の取引所や個人間取引では、日本の登録制度による保護を受けられない場合があります。

国内サービスで購入する一般的な流れ

  1. 電子決済手段等取引業者または暗号資産交換業者として登録されたサービスを選ぶ
  2. 口座を開設し、氏名・住所・本人確認書類などを提出する
  3. 銀行口座から日本円を入金する
  4. 購入するステーブルコインと数量を指定する
  5. 必要に応じて対応ウォレットへ送金する

JPYCはJPYC EX、USDCとJPYSCはSBI VCトレードなど、銘柄によって利用窓口が異なります。最低購入額、売買手数料、スプレッド、出庫手数料、対応チェーン、保有限度額も同一ではありません。

送金時に確認したい項目

  • 受取側が同じステーブルコインに対応しているか
  • 送金元と送金先のネットワークが一致しているか
  • ウォレットアドレスに誤りがないか
  • 最低入金額を下回っていないか
  • ガス代として必要な暗号資産を保有しているか
  • 少額のテスト送金が可能か

異なるネットワークへ誤送金すると、原則として自動的には戻りません。名称が同じステーブルコインでも複数のブロックチェーン上で発行されている場合があるため、アドレスだけでなくネットワーク名も確認しましょう。

ステーブルコインは投資に向いている?

ステーブルコインは法定通貨との連動を目標としているため、単純な値上がり益を狙う商品ではありません。日本円連動型を1円で購入し、1円で償還できる場合、保有しているだけで大きな利益が発生する仕組みではないためです。

米ドル連動型を日本円で購入する場合は、円安になれば円換算額が上昇する可能性がありますが、円高になれば損失が発生する可能性があります。この場合、実質的には米ドルへの為替変動リスクを負うことになります。

利回りを得られるサービスもありますが、利益はステーブルコイン自体の値上がりではなく、貸し出し、流動性提供、DeFiプロトコルなどから生じます。利回りが高いほど、信用リスクやスマートコントラクトリスクなどが大きい可能性があります。

おすすめ銘柄を選ぶ基準

すべての用途に適した「最もおすすめのステーブルコイン」はありません。次の項目を比較することが大切です。

  • 発行主体と登録状況
  • 裏付け資産の内容と分別管理
  • 法定通貨への償還方法
  • 準備資産に関する情報開示
  • 国内で購入・売却できるか
  • 対応するブロックチェーン
  • 市場での流動性
  • 凍結や利用停止に関する規約
  • 送金・出庫・償還にかかる費用

ステーブルコインが崩壊する主なリスク

準備資産の不足

発行額に見合う安全性の高い資産が保有されていなければ、大量の償還請求に応じられない可能性があります。単に「100%担保」と表示されているだけでなく、資産の種類、流動性、保管先、第三者による確認状況を見る必要があります。

取り付けと流動性不足

信用不安が広がり、多数の保有者が同時に売却や償還を求めると、取引価格が基準価格を下回る場合があります。準備資産が存在していても、すぐに現金化できなければ償還が遅れる可能性があります。

発行者・金融機関・取引所の信用リスク

準備資産を保管する銀行の経営不安、発行会社の業務停止、取引所の破綻などによって、一時的に換金できなくなる可能性があります。分別管理や信託保全が採用されているかも確認したいポイントです。

システムとハッキングのリスク

ステーブルコイン本体に問題がなくても、利用するウォレット、取引所、ブリッジ、DeFiサービスが攻撃を受ける可能性があります。秘密鍵や復元用フレーズを失った場合も、原則として資産を取り戻せません。

規制変更のリスク

各国の規制変更により、取扱停止、送金制限、本人確認の追加、特定地域からの利用停止などが行われる場合があります。海外で広く利用されている銘柄でも、日本国内で自由に購入できるとは限りません。

ステーブルコインをDeFiで運用する際の注意点

DeFiでは、ステーブルコインを貸し出したり、取引所に流動性を提供したりすることで報酬を得られる場合があります。ただし、銀行預金ではなく、預金保険制度の対象にもなりません。

  • スマートコントラクトの不具合
  • 運営者や管理者による資金の持ち逃げ
  • オラクル価格の異常
  • ブリッジへの攻撃
  • 借り手の債務不履行
  • 担保資産の急落と強制清算
  • ステーブルコイン自体のデペッグ
  • 出金停止や流動性不足
  • 発行者によるアドレス凍結

年率表示が高くても、その水準が長期間続くとは限りません。報酬として受け取った別のトークンが値下がりすれば、表示された利回りを下回る可能性もあります。

ステーブルコインの税金と計算方法

日本での税務上の扱いは、対象が電子決済手段なのか暗号資産なのか、どのような取引をしたのかによって異なります。銘柄名だけで一律に判断することはできません。

米ドル連動型ステーブルコインを日本円で購入し、後日日本円へ換金した場合は、為替変動などによって利益が生じる可能性があります。ほかの暗号資産との交換、商品購入、貸し出し、DeFi報酬の受け取りなども、課税関係が発生する可能性があります。

一般的な損益計算では、取引時の円換算額から取得に要した金額と必要経費を差し引きます。

利益の基本的な考え方=売却・交換・受取時の円換算額-取得価額-必要経費

例えば、米ドル連動型ステーブルコインを10万円で購入し、為替変動後に10万5,000円で売却した場合、手数料を考慮する前の差額は5,000円です。ただし、実際の所得区分や必要経費の範囲は取引内容によって変わります。

取得日時、数量、円換算額、手数料、送金履歴、報酬額を記録しておきましょう。「給与所得者は利益が20万円以下なら必ず申告不要」とは限りません。所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要となる場合があります。不明点は税務署や税理士に確認してください。

国際送金・B2B決済で期待される活用方法

ステーブルコインは、国際送金や企業間決済を効率化する手段としても注目されています。ブロックチェーン上で移転するため、銀行の営業時間や複数の中継銀行に左右されにくく、原則として24時間処理できる点が特徴です。

企業が期待できる主な効果

  • 支払いから着金までの時間短縮
  • 取引履歴と請求データの自動照合
  • 条件を満たした際の自動支払い
  • 少額・高頻度の国際決済
  • サプライチェーン内の資金移動の可視化

一方、企業利用では、本人確認、マネーロンダリング対策、経済制裁対象の確認、秘密鍵管理、誤送金時の対応、会計処理、税務、社内承認などを整備する必要があります。

米ドル連動型を利用する場合は、送金速度が速くても為替リスクがなくなるわけではありません。最終的に日本円へ交換する際のレートや手数料も含め、従来の銀行送金と総コストを比較することが大切です。

ステーブルコインに関する2026年の主な最新動向

  • 2026年3月18日:SBI VCトレードがUSDCの貸コインサービスを開始
  • 2026年6月1日:改正資金決済法に関連する政令・内閣府令などが施行
  • 2026年6月10日:三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行が信託型ステーブルコインの共同検討を公表
  • 2026年6月24日:SBI新生信託銀行とSBI VCトレードなどがJPYSCの提供を開始
  • 2026年7月:JPYCのオンチェーン発行残高が20億円を突破し、JPYC EXが機能を更新

ステーブルコインは、単なる暗号資産の一種から、決済・送金インフラの一部へと役割を広げつつあります。ただし、サービス開始の発表と、誰でも自由に利用できる状態は同じではありません。利用対象、開始時期、手数料、上限、対応ネットワークを個別に確認しましょう。

まとめ|安定性だけでなく発行者・償還制度・規制を確認しよう

ステーブルコインは、法定通貨などとの価格連動を目指すデジタル資産です。送金の速さ、24時間利用できる利便性、プログラムとの連携性を備え、個人の決済だけでなく、国際送金や企業間取引にも利用が広がる可能性があります。

日本では、JPYCやJPYSCなどの日本円連動型に加え、SBI VCトレードによるUSDCの国内取り扱い、3メガバンクによる共同プロジェクトなどが進んでいます。

一方、「1円連動」「1米ドル連動」と表示されていても、元本や換金が保証されているとは限りません。発行者、準備資産、分別管理、償還方法、国内登録、対応ネットワーク、取引上限を確認したうえで、目的に合った銘柄とサービスを選ぶことが重要です。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定のステーブルコイン、暗号資産、株式または金融サービスへの投資を推奨するものではありません。法令、税制、取扱条件は変更される可能性があるため、利用前に各事業者の最新情報を確認してください。

<参考サイト>金融庁 / JPYC株式会社 / JPYC EX / SBIホールディングス / SBI VCトレード / Circle / Tether / 三菱UFJ銀行 / みずほ銀行 / 三井住友銀行 / Progmat