
デンタルローンと医療費控除|申請する年を確認
デンタルローンを利用していても、治療内容が医療費控除の対象となる場合は、治療費部分について医療費控除を受けられることがあります。
国税庁によると、歯科ローンでは信販会社が患者の治療費を歯科医院へ立替払いし、患者が後から信販会社へ返済します。
そのため、信販会社が立替払いした治療費は、ローン契約が成立して立替払いが行われた年の医療費控除の対象となります。
例:100万円を5年間で返済する場合
例えば、医療費控除の対象になる100万円の歯科治療について2026年中にデンタルローン契約が成立し、信販会社が2026年中に歯科医院へ100万円を立替払いした場合を考えます。
患者がその後5年間かけて信販会社へ返済するとしても、原則として治療費部分は2026年分の医療費として扱われます。
毎月信販会社へ返済した金額を5年間に分けて医療費として申告する仕組みではありません。
ただし、ローンの金利や分割払い手数料は医療費控除の対象外です。
医療費控除はいくらから?
通常の医療費控除額は、基本的に次の考え方で計算します。
その年に支払った対象医療費-保険金などで補てんされる金額-10万円
その年の総所得金額等が200万円未満の場合は、10万円ではなく総所得金額等の5%を差し引きます。医療費控除額の上限は200万円です。
なお、10万円を超えた金額がそのまま返金される制度ではありません。
医療費控除は所得控除であり、実際の所得税の軽減額などは所得や税率によって異なります。
すべての矯正・審美治療が医療費控除になるわけではない
国税庁は、病状などに応じて一般的に必要と認められる歯科治療費について、医療費控除の対象になるとしています。
一方、容姿を美しくすることだけを目的とした歯列矯正などは対象外となります。
つまり、デンタルローンを利用したかどうかではなく、まず治療そのものが医療費控除の対象となるかを確認する必要があります。
医療費控除の申請タイミングと必要書類
対象となった年分の確定申告で医療費控除を申告します。
会社員で年末調整を受けている場合でも、医療費控除を受けるには原則として確定申告が必要です。
歯科ローンを利用すると、歯科医院から患者本人宛ての領収書が手元に残らない場合があります。
国税庁は、その場合の支出を証明する書類として、歯科ローンの契約書や信販会社の領収書を保存するよう案内しています。
確定申告で医療費控除を受ける場合は「医療費控除の明細書」を作成し、領収書などの関係書類も適切に保管しておきましょう。
アプラスのデンタルローンはどんな仕組み?
アプラスのデンタルローンは、アプラスが患者に代わって歯科医院へ治療費を立替払いし、患者が治療費と分割払い手数料を分割で支払う仕組みです。
2026年9月時点の公式案内では、18歳以上で安定した収入のある方が対象です。
インプラント、矯正歯科、審美歯科などの保険外診療における治療費などに利用できますが、対象外となる治療もあるため、利用前に歯科医院への確認が必要です。
また、アプラス加盟歯科医院での利用が前提となり、申込みには歯科医院から案内される申込コードが必要です。
Web申込みでは必要書類が原則不要とされていますが、所定の審査があります。必要な手続きや契約条件は申込み前に確認してください。
オリコのWebデンタルクレジットはどんな仕組み?
オリコのWebデンタルクレジットは、インプラント、矯正、審美治療などの治療費を対象とした歯科向けの分割サービスです。
2026年9月時点の公式案内では、利用可能額は10万円~500万円、支払回数は6~84回で、18歳以上かつ安定収入のある方が対象です。
申込み後はオリコが申込内容をもとに審査を行い、契約成立後に治療費を歯科医院へ立替払いします。
実際の分割払い手数料などは、利用する歯科医院や契約条件を確認する必要があります。
エポスのデンタルクレジットは最大96回・実質年率5.8%
エポスカードのデンタルクレジットは、2026年9月時点で実質年率5.8%、利用金額は最大200万円、2~96回の均等分割払いに対応しています。
対象は18歳以上(高校生を除く)の国内在住者で、利用にはエポスカードへの入会が必要です。
対象は歯科治療ですが、ホワイトニングは対象外とされています。
通常のクレジットカード決済とデンタルクレジットは別のサービスであるため、利用条件や分割払い手数料をそれぞれ確認して比較することが大切です。
銀行のデンタルローンという選択肢|イオン銀行の例
信販会社だけでなく、銀行にも歯科治療費に利用できる目的型ローンがあります。
イオン銀行のデンタルローン「イオンアシストプラン」は、2026年9月時点で固定金利年3.80%~13.50%、借入金額10万~700万円、借入期間1~8年です。
信販会社が歯科医院へ直接立替払いするタイプとは異なり、契約した金額が本人名義のイオン銀行口座へ入金されます。
利用条件として、契約時20歳以上60歳未満であること、安定かつ継続した収入が見込めること、原則として前年度税込年収200万円以上であることなどが定められています。
学生、年金受給者、無職の方などは利用できないと公式に案内されています。
信販会社型と銀行型では仕組みや申込条件が異なるため、金利だけでなく契約方法も含めて比較しましょう。
クレジットカード分割や歯科医院の院内分割と比較する
歯科治療費を分けて支払う方法は、デンタルローンだけではありません。
歯科医院によっては、クレジットカードの分割払いに対応していたり、医院独自の院内分割制度を設けていたりする場合があります。
例えば、同じ100万円の治療費でも、
- 現金で支払う
- クレジットカードで分割する
- 歯科医院の院内分割を利用する
- 信販会社のデンタルローンを利用する
- 銀行の目的型ローンを利用する
といった方法によって、手数料や支払期間、毎月の支払額が異なります。
まず治療を受ける歯科医院で利用できる支払方法を確認し、それぞれの支払総額を比較すると判断しやすくなります。
ろうきんの医療向けローンを利用できる場合もある
ろうきんは地域ごとに別の労働金庫が商品を提供しているため、利用できる商品や条件は地域によって異なります。
例えば東北ろうきんでは、医療費や歯科矯正費用などに利用できるメディカルローンが案内されています。
九州ろうきんでも、医療費などに利用できるローン商品があります。
利用資格、融資額、金利などは地域や会員区分によって異なるため、利用を検討する場合は居住地または勤務先を担当する労働金庫の公式情報を確認してください。
デンタルローンを比較するときの最終チェックポイント
デンタルローンは、歯科治療費の支払方法の一つです。
利用するかどうかを考える際は、月々の支払額だけで判断せず、治療費と支払条件を全体で比較することが大切です。
- 治療費の総額を確認する
- ローンを利用する場合の申込金額を確認する
- 適用される金利・分割払い手数料率を確認する
- 月々の支払額と支払総額の両方を見る
- 支払期間が家計に合っているか確認する
- 繰上返済の可否や手数料を確認する
- 利用予定の歯科医院で対応している支払方法を確認する
- 申込条件や契約条件を公式情報で確認する
- 手数料の優遇がある場合は適用条件を確認する
- 医療費控除では治療費とローン手数料を分けて考える
高額な歯科治療では、治療内容だけでなく支払方法も重要な検討事項になります。
まず歯科医院から治療内容と費用について十分な説明を受けたうえで、現金払い、院内分割、クレジットカード、デンタルローンなど、利用できる方法の条件と支払総額を比較し、自分の家計に合った方法を検討しましょう。
<参考サイト>
国税庁 / 指定信用情報機関CIC / 株式会社ジャックス Dentcure公式サイト / 株式会社オリエントコーポレーション(オリコ) / 株式会社アプラス / 株式会社エポスカード / イオン銀行 / 東北労働金庫 / 九州労働金庫




