
401kのマッチング拠出とは?本人が掛金を上乗せする制度
マッチング拠出とは、企業型DCで会社が出す事業主掛金に、従業員本人が加入者掛金を追加する仕組みです。
すべての企業型DCで利用できるわけではなく、勤務先の企業型年金規約にマッチング拠出制度が定められている必要があります。
2026年4月1日から「会社掛金を超えてはいけない」制限が撤廃
2026年3月までのマッチング拠出には、
加入者掛金 ≦ 事業主掛金
という制限がありました。
例えば会社の事業主掛金が月5,000円なら、本人も月5,000円までしか拠出できませんでした。
しかし、2026年4月1日からこの制限は撤廃されています。
現在は、事業主掛金より加入者掛金のほうが多くても、法令と勤務先規約で認められる拠出限度額の範囲ならマッチング拠出できる仕組みになりました。
2026年9月10日時点の企業型DCの上限
2026年9月10日時点では、企業型DCについて基本となる拠出限度額は月額5万5,000円です。
確定給付企業年金(DB)等の他制度に加入している場合には、5万5,000円から他制度掛金相当額を差し引いて計算するのが基本です。経過措置が適用される制度もあります。
マッチング拠出を行う場合、会社の事業主掛金と本人の加入者掛金を合計して、この企業型DCの限度額を超えることはできません。
2026年12月1日から401kの上限は月6万2,000円へ
2026年12月1日から確定拠出年金制度がさらに改正されます。
厚生労働省によると、国民年金第2号被保険者について、企業型DCなどの共通拠出限度額は月額6万2,000円へ引き上げられます。
| 時期 | 企業型DCの基本限度額 |
|---|---|
| 2026年9月10日時点 | 月額5万5,000円を基準 |
| 2026年12月1日以降 | 月額6万2,000円を基準 |
DBなどの他制度がある場合は、6万2,000円から他制度掛金相当額を差し引く仕組みとなります。
「2026年12月から本人が必ず月6万2,000円出せる」という意味ではありません。会社の事業主掛金、他制度掛金相当額、勤務先の規約などによって本人が実際に追加できる金額は異なります。
401kとiDeCo、どちらへ追加拠出する?
企業型DCに加入している人は、条件を満たせばiDeCoを利用できる場合があります。
一方、企業型DCのマッチング拠出とiDeCoへの本人掛金は原則として同時利用できません。
そのため勤務先でマッチング拠出が用意されている場合は、
- 企業型DCの商品ラインアップ
- iDeCoで選べる商品
- それぞれの手数料
- 利用可能な拠出額
- 手続のしやすさ
などを確認する必要があります。
401kは退職したらどうなる?資産は消えない
会社を退職しただけで、それまで積み立てた企業型DCの資産が会社へ戻ったり、突然ゼロになったりするわけではありません。
確定拠出年金には、退職・転職したときに年金資産を別制度へ持ち運ぶポータビリティがあります。
退職後の主な選択肢は状況によって、
- 転職先の企業型DCへ移換
- iDeCoへ移換
- 一定条件を満たす転職先の確定給付企業年金へ移換
- 一定条件で企業年金連合会の通算企業年金へ移換
- 非常に限定された条件で脱退一時金を請求
などがあります。
どれを選べるかは、退職後の働き方や転職先の企業年金制度によって異なります。
転職先にも企業型DCがある場合
転職先の企業型DCへ、それまでの個人別管理資産を移換できるのが基本です。
新しい勤務先の人事・企業年金担当者から案内を受け、必要な移換手続きを行います。
転職先に企業型DCがない場合
加入条件を満たしていれば、iDeCoへ資産を移換し、その後の運用を続ける方法があります。
掛金を新たに拠出せず、それまでの資産だけを運用する「運用指図者」になるケースもあります。
退職後6か月放置すると「自動移換」の可能性
企業型DCの資格を失った後、所定の移換等の手続きを行わない場合には注意が必要です。
厚生労働省によると、資格喪失後6か月以内にiDeCo、他の企業型DC、一定のDB、通算企業年金などへの移換や、該当する場合の脱退一時金請求を行わないと、資産が国民年金基金連合会へ自動移換される場合があります。
自動移換にはデメリットがある
- 資産の運用が行われない
- 管理手数料等が差し引かれる
- 自動移換期間は確定拠出年金の通算加入者等期間に算入されない
- 受給開始可能年齢が遅れる場合がある
- その後に正式な制度へ移すための手続が必要
退職金の手続だけ済ませ、401kを忘れることは避けましょう。
退職時には勤務先から届く資格喪失・移換に関する案内を確認し、早めに転職先またはiDeCoの運営管理機関へ手続きを進めることが重要です。
401kは途中で引き出せる?原則60歳まで不可
確定拠出年金は老後資金形成を目的とした制度なので、「住宅を買いたい」「教育費が必要」「失業した」という理由だけで自由に途中解約して現金化することはできません。
原則として60歳以降の老齢給付まで資産を制度内で保有します。
例外の「脱退一時金」には厳しい条件がある
一定の場合には、60歳未満でも脱退一時金を受け取れる制度があります。
代表的なケースでは、
- 60歳未満である
- 企業型DC加入者ではない
- iDeCoへ加入できない一定の状態である
- 障害給付金の受給権者ではない
- 掛金拠出期間が5年以下、または個人別管理資産が25万円以下
- 最後の資格喪失から2年を経過していない
など複数の要件をすべて満たす必要があります。
また、企業型DC資格喪失後で個人別管理資産が1万5,000円以下の場合には、別の要件で請求できる仕組みがあります。
つまり「会社を辞めれば401kを現金でもらえる」という制度ではありません。
401kは会社が倒産するとどうなる?
確定拠出年金の資産は加入者ごとに区分して管理され、会社の通常の事業資金とは分けられています。
そのため、勤務先が経営破綻したからという理由だけで、確定拠出年金の個人別管理資産が会社の一般的な運転資金として使われる仕組みではありません。
一方、投資信託など元本変動型商品を選んでいる場合の価格変動リスクは別です。
401kの運用は退職時にいったん現金化される?
移換時には制度上の処理のため保有商品を売却して現金相当の資産として移換することがあります。
その後、移換先で新しい運用商品を選び直すことになります。
同じ名前の投資信託が移換先にあっても、株式や投資信託そのものをそのまま移す方式とは限りません。
そのため、市場が大きく動いている時期には売却・再投資までの価格変動も考慮する必要があります。
401kは受け取り方によって「退職所得」と「公的年金等に係る雑所得」に分かれます。しかも2026年から、DC一時金と会社の退職金を近い時期に受け取る場合の退職所得控除ルールが変更されています。最後に税金を詳しく確認します。




