
401kは何歳から受け取れる?原則60歳以降
確定拠出年金の老齢給付金は、原則として60歳以降に受け取れます。
ただし、60歳時点で確定拠出年金の通算加入者等期間が10年未満の場合は、受給開始可能年齢が後ろへずれます。
| 60歳時点の通算加入者等期間 | 受給開始可能年齢 |
|---|---|
| 10年以上 | 60歳 |
| 8年以上10年未満 | 61歳 |
| 6年以上8年未満 | 62歳 |
| 4年以上6年未満 | 63歳 |
| 2年以上4年未満 | 64歳 |
| 1か月以上2年未満 | 65歳 |
2022年の制度改正により、老齢給付金は原則として受給可能年齢から75歳に達するまでの間で受給開始時期を選べる制度となっています。
なお、2026年12月からは一定の60歳以上70歳未満の人についてiDeCo加入可能年齢が拡大されますが、給付開始に関する詳細は加入歴などによって確認する必要があります。
401kの受け取り方法は3パターン
確定拠出年金の老齢給付金は、制度・規約に応じて主に次の受け取り方があります。
1.一時金として一括で受け取る
積み立てた年金資産を一括で受け取る方法です。
税務上は原則として退職所得として扱われ、退職所得控除の対象になります。
2.年金として分割して受け取る
一定期間などに分けて受け取る方法です。
税務上は公的年金等に係る雑所得として扱われ、公的年金等控除の対象となります。
3.一時金と年金を組み合わせる
制度によっては、一部を一時金として受け取り、残りを年金として受け取る方法を選択できます。
利用できる受取方法や年金の支給期間は企業型年金規約や運営管理機関等によって異なるため、自分の制度を確認する必要があります。
401kを一時金で受け取る場合の税金
確定拠出年金法に基づく老齢給付金を一時金として受け取る場合は、原則として退職所得となります。
通常の退職所得控除額は、勤続・加入期間等に応じて次の基本式で計算します。
| 年数 | 退職所得控除額の基本計算 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円×年数 |
| 20年超 | 800万円+70万円×(年数-20年) |
例えば対象となる期間が30年で、他の退職金等との調整を考慮しない単純例なら、
800万円+70万円×10年=1,500万円
が退職所得控除額の基本計算になります。
ただし、会社の退職金や別のDC一時金を近い時期に受け取っている場合には、同じ期間について退職所得控除を重複して利用できないよう調整されることがあります。
2026年から変わった「DC一時金→会社退職金」の税金に注意
2026年1月1日から、確定拠出年金の一時金と、その後に受け取る退職金について退職所得控除を調整する期間が変更されています。
国税庁の2026年の取扱いでは、会社の退職金などを受け取る年から見て、前年以前9年以内に確定拠出年金の老齢給付金を一時金として受け取っている場合には、重複する期間について退職所得控除額の調整対象になることがあります。
一方、会社の退職金などを先に受け取り、その後にDCの老齢一時金を受け取る場合は、原則として前年以前19年以内の退職手当等との重複期間を確認する仕組みがあります。
そのため、
「DCは60歳、会社の退職金は65歳にすれば必ず両方の退職所得控除を満額利用できる」
といった単純な判断はできません。
退職金額が大きい場合は、受け取り時期を決める前に会社の退職金制度、DC加入期間、過去の退職所得を整理し、税理士・税務署等へ確認すると安心です。
401k一時金は確定申告が必要?
一時金の支払者へ「退職所得の受給に関する申告書」を適切に提出している場合、一般的には支払時の源泉徴収で退職所得に対する所得税等の課税が完結するため、退職所得だけを理由として確定申告する必要はありません。
ただし、
- 申告書を提出していない
- 複数の退職金を受け取った
- 源泉徴収された税金の還付を受けたい
- 他の所得・控除との関係で申告が必要
などの場合は確定申告が関係することがあります。
401kを年金で受け取った場合の税金・確定申告
確定拠出年金を年金形式で受け取った金額は、公的年金等に係る雑所得として扱われます。
公的年金等控除を適用して所得を計算します。
所得税には年金所得者の確定申告不要制度があり、源泉徴収対象となる公的年金等の収入金額が合計400万円以下で、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下などの要件を満たす場合は、所得税・復興特別所得税の確定申告が不要となることがあります。
ただし、確定申告をしなくても住民税の申告が必要になるケースや、医療費控除などの還付を受けるために確定申告したほうがよいケースがあります。
401kと普通の退職金は同じ?
同じではありません。
会社が独自に支給する退職一時金は、勤務期間・給与・役職などを基に会社の退職金規程で金額を計算するのが一般的です。
企業型DCでは、掛金と運用結果によって本人の資産額が決まります。
| 比較 | 企業型DC | 一般的な退職一時金 |
|---|---|---|
| 資産の管理 | 加入者ごとに管理 | 会社の退職金制度による |
| 運用 | 本人が指図 | 本人が商品を選ぶ仕組みではないことが一般的 |
| 金額 | 掛金+運用成績で変動 | 退職金規程等に基づき計算 |
| 転職時 | 他制度へ持ち運べる場合あり | 退職時に支給されることが一般的 |
企業によっては「退職一時金+企業型DC」「DB+企業型DC」など複数制度を組み合わせています。
東京海上の401kとは?
東京海上日動火災保険は、2026年9月時点でも確定拠出年金の運営管理業務を行っており、企業型DCと個人型確定拠出年金(iDeCo)のサポートサイトを提供しています。
個人向けには「401k個人型年金プラン<東京海上日動>」などの名称が使われてきました。
企業型では勤務先ごとに採用商品・制度設計が異なるため、「東京海上の401kなら全員が同じ商品を持っている」というわけではありません。
ニッセイの401kとは?
日本生命保険は企業型確定拠出年金について、制度設計、運用商品、加入者向けサービスなどを提供しています。
2026年7月更新の企業型DC商品情報では、定期預金や利率保証型保険、国内外の株式・債券等へ投資する投資信託など、複数タイプの商品が掲載されています。
実際に本人が選べる商品は勤務先が採用した制度によって異なります。
野村401kとは?
野村證券は「野村の確定拠出年金ねっと」などを通じて、企業型DC・iDeCoに関連する運営管理サービスや加入者向け情報を提供しています。
企業型DCでは、勤務先の契約内容に応じて利用できる商品やサービスが変わります。
「野村だからこのファンドを必ず保有する」という制度ではなく、加入者本人が提示された商品の中から選択します。
三井住友海上401kとは?
三井住友海上火災保険も確定拠出年金サービスを提供しており、2026年9月時点で個人型確定拠出年金の複数プランについて運用商品情報を公表しています。
現在のラインアップには、プランによって国内外の株式・債券インデックスファンド、バランス型投信、元本確保型商品などがあります。
過去から継続しているプランもあるため、加入中の人はプラン名まで確認することが重要です。
あいおいの401kとは?
あいおいニッセイ同和損害保険は、2026年9月時点で個人型確定拠出年金(iDeCo)と企業型DCを案内しています。
個人型では野村證券と提携し、コールセンター・加入者Webサービス等を提供しています。
一時金、年金、両方の併用による受け取り方法も公式情報で案内されています。
「401k第四」は現在どうなっている?
旧第四銀行には「だいし401k個人型プラン」という名称の個人型確定拠出年金がありました。
第四銀行と北越銀行の合併後、この名称は「第四北越iDeCoプラン」へ変更されています。
2026年9月時点でも第四北越銀行ではiDeCoと企業型DCに関するサービスを提供し、2026年12月の制度改正についても案内しています。
旧名称で加入している場合でも、現在の管理画面・問い合わせ先・商品情報は第四北越銀行の最新案内で確認しましょう。
「401kベネフィット」はSBIベネフィット・システムズを指す場合がある
SBIベネフィット・システムズ株式会社は、確定拠出年金運営管理業を行う会社です。
2026年現在、iDeCoの記録関連業務や企業型DCの制度設計・導入・運営、加入者向け投資教育などのサービスを提供しています。
企業型DCでは加入者サイトのログイン先として表示されることもあるため、勤務先の401kを利用している人が「ベネフィット401k」という名称を目にする場合があります。
401kの金融機関を比較するときのポイント
企業型DCの場合、従業員が運営管理機関そのものを自由に選べる制度ではないことが一般的です。勤務先が契約した制度を利用します。
一方、退職してiDeCoへ移換する場合などは、自分で運営管理機関を選ぶ機会があります。
比較時はブランド名だけでなく、
- 運用商品の種類
- 信託報酬
- 元本確保型商品の有無
- Webサイト・アプリの使いやすさ
- 加入者向けサポート
- 運営管理手数料等
- 移換時の手続方法
を確認しましょう。
401kについてよくある誤解
「401kは会社が投資してくれる」
企業型DCでは会社が掛金を出すのが基本ですが、運用商品を選択するのは加入者本人です。
「401kなら元本保証」
投資信託を選べば元本割れする可能性があります。元本確保型商品が用意されている制度もありますが、商品ラインアップは勤務先ごとに異なります。
「退職したら401kを現金でもらえる」
原則として60歳前の自由な現金化はできません。転職先の企業型DCやiDeCoなどへ移換するのが基本です。
「退職後に何もしなくても運用は続く」
必要な移換手続きをしないまま6か月を経過すると国民年金基金連合会へ自動移換される場合があり、その間は運用されません。
「2026年4月からマッチング拠出に上限がなくなった」
なくなったのは「本人掛金が会社掛金を超えてはいけない」という制限です。企業型DC全体の法定拠出限度額は残っています。
「2026年12月から全員が月6万2,000円を本人負担できる」
違います。6万2,000円は企業年金等を含む共通の上限を考える基準です。事業主掛金やDB等の他制度掛金相当額によって本人が使える枠は変わります。
「401kは受け取り時も完全非課税」
受け取り時には、一時金なら退職所得、年金なら公的年金等に係る雑所得として税金を計算します。ただし、それぞれ退職所得控除・公的年金等控除があります。
401kの最終チェックリスト
- 自分の制度が企業型DCかiDeCoか確認したか
- 事業主掛金はいくらか確認したか
- マッチング拠出を利用できる規約か確認したか
- 2026年4月のマッチング拠出改正を確認したか
- 2026年12月の上限額変更を確認したか
- 運用商品の信託報酬を確認したか
- 一つの商品へ過度に集中していないか
- 過去1年の成績だけで商品を選んでいないか
- 退職した場合の移換先を確認したか
- 資格喪失後6か月という期限を把握しているか
- 原則60歳まで引き出せないことを理解しているか
- 受け取りを一時金・年金のどちらにするか検討したか
- 会社の退職金とDC一時金の受取時期を確認したか
- 2026年からの退職所得控除の重複期間ルールを確認したか
まとめ|401kは「税金」だけでなく運用・退職時の移換・受け取り方まで考える
日本で401kと呼ばれている制度は、正式には確定拠出年金です。会社が実施する企業型DCと、個人が加入するiDeCoがあり、掛金と運用損益の合計によって将来受け取る金額が決まります。
企業型DCでは会社が掛金を拠出するのが基本で、制度によっては本人もマッチング拠出できます。2026年4月1日には「加入者掛金は事業主掛金を超えられない」というマッチング拠出の制限が撤廃されました。ただし企業型DC全体の拠出上限は残っています。
さらに2026年12月1日には、企業型DC等の共通拠出限度額の基準が月額5万5,000円から6万2,000円へ引き上げられます。DB等の他制度がある場合は、その掛金相当額を差し引いて計算します。
401kの大きな特徴は税制です。会社の事業主掛金は拠出時に従業員への給与課税がなく、本人のマッチング拠出は全額所得控除、運用益も運用中非課税です。一方で、原則として60歳までは自由に引き出せません。
退職・転職したときには特に注意が必要です。企業型DCの資格喪失後、原則6か月以内に転職先の企業型DCやiDeCoなどへ移換しない場合、国民年金基金連合会へ自動移換されることがあります。自動移換中は運用されず、管理手数料等が発生し、加入者等期間にも算入されません。
60歳以降の受け取り方は、一時金、年金、制度によっては両者の組み合わせがあります。一時金は原則退職所得として退職所得控除、年金は公的年金等に係る雑所得として公的年金等控除が適用されます。
また2026年から、DC一時金を先に受け取り、その後の前年以前9年以内に会社の退職金などを受け取る場合には、重複する期間について退職所得控除が調整されることがあります。退職金と401kの受け取りを別々に考えないことが重要です。
401kを活用するときは、「税制優遇があるから上限まで入れる」と考えるのではなく、60歳まで使わない資金か、どの商品で運用するか、転職時にどう移換するか、最終的に一時金と年金のどちらで受け取るかまで一つの計画として考えることが大切です。
※本記事は2026年9月10日時点で確認できる確定拠出年金法、関連制度、厚生労働省・国税庁・国民年金基金連合会・企業年金連合会・各運営管理機関等の公表情報を基にした一般的な情報提供を目的としています。特定の確定拠出年金運営管理機関や運用商品の利用・購入を推奨するものではありません。投資信託等には元本割れの可能性があります。企業型DCの掛金、商品、受取方法は勤務先の規約によって異なります。2026年12月1日に制度改正が予定されているため、実際の手続時には最新情報をご確認ください。税務については国税庁・税務署・税理士等へご確認ください。
<参考サイト>
厚生労働省 / 国税庁 / 国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト / 企業年金連合会 / e-Gov法令検索 / 東京海上日動火災保険 / 日本生命保険 / 野村證券 / 三井住友海上火災保険 / あいおいニッセイ同和損害保険 / 第四北越銀行 / SBIベネフィット・システムズ




