
担保ローンとは?不動産・預金・有価証券などを担保に借りる
「担保ローン」は一つの商品名ではなく、資産を担保として融資を受ける商品の総称として使われます。
代表例には次のようなものがあります。
- 住宅ローン:購入する住宅・土地へ抵当権を設定する商品
- 不動産担保ローン:所有不動産を担保に資金を借りる商品
- 有価証券担保ローン:株式などを担保に借りる商品
- 預貯金担保貸付:定期預金などを担保に借りる商品
担保付きローンでは、担保を処分して回収できる可能性があるため、無担保ローンより大きな金額・長い返済期間などを設定した商品もあります。ただし、適用金利や審査条件は商品ごとに異なり、担保があるから必ず低金利になるとは断定できません。
担保なしの住宅ローンはある?「無担保住宅ローン」は実在する
一般的な住宅購入向け住宅ローンでは、融資対象の土地・建物に抵当権を設定する商品が多く見られます。例えば三菱UFJ銀行は住宅ローン対象不動産に同行を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定すると案内し、住宅金融支援機構のフラット35でも原則として融資対象住宅・敷地への第1順位の抵当権設定が必要です。
一方、不動産へ抵当権を設定しない「無担保住宅ローン」も存在します。
例えば近畿ろうきんは、リフォーム・増改築などに利用できる無担保住宅ローンを提供しています。2026年4月1日時点の固定金利(保証料込み)は、会員組合員で年3.40%、生協組合員で年3.68%、一般勤労者で年3.90%と案内されています。変動金利の設定もあります。
また、中国ろうきんも2026年9月1日時点で無担保住宅ローンを提供し、会員構成員向け変動金利は年2.70%、提携生協組合員・一般利用者については条件により年3.40%~4.05%としています。
ただし、これは各金融機関の具体例です。「無担保住宅ローンの相場が○%」と全国一律に決まっているわけではありません。
無担保なら住宅を失うリスクがゼロ?
抵当権を設定しないローンだからといって、返済義務そのものがなくなるわけではありません。
返済を怠れば契約に基づく請求を受けるほか、債権者が債務名義を取得して預金・給与・その他の財産へ強制執行を申し立てる可能性があります。
「無担保=返済できなくても財産に影響しない」という意味ではありません。
住宅ローンの担保設定とは?抵当権を登記する
住宅ローンで不動産を担保にする場合、通常は土地・建物へ抵当権を設定し、その内容を法務局の不動産登記簿へ登記します。
金融機関によっては指定司法書士が抵当権設定登記を行います。フラット35でも、抵当権設定に伴う登録免許税や司法書士報酬などは利用者負担とされています。
抵当権設定の登録免許税はいくら?
2026年9月時点では、抵当権設定登記の登録免許税は原則として債権金額の0.4%です。根抵当権の場合は極度額が課税標準になります。
例えば3,000万円の住宅ローンについて通常税率0.4%で単純計算すると、
30,000,000円 × 0.4% = 120,000円
です。
一定のマイホームなら0.1%の軽減税率がある
国税庁によると、一定の要件を満たす住宅用家屋を新築・取得し、その取得等から1年以内に住宅取得資金の借入れに係る抵当権設定登記を行う場合、2027年3月31日まで0.1%の軽減税率が適用される特例があります。
同じ3,000万円なら、条件を満たした場合の単純計算は、
30,000,000円 × 0.1% = 30,000円
です。
ただし、住宅の用途、床面積、新築・取得時期など要件があります。住宅ローンを利用すれば自動的に0.1%になるわけではありません。
担保設定にかかる費用は登録免許税だけではない
不動産を担保に住宅ローンを組む場合、抵当権設定では次のような費用が発生することがあります。
- 抵当権設定登記の登録免許税
- 司法書士への報酬
- 登記事項証明書などの取得費用
- 金融機関所定の融資事務手数料
- 商品によって保証料など
司法書士報酬は登録免許税のように全国一律の税額ではありません。依頼内容、地域、登記件数などによって異なります。
そのため、住宅ローンを比較するときは金利だけでなく、融資手数料や保証料、登記関係費用まで含めた初期費用を見ることが重要です。
ローン完済後は抵当権抹消登記が必要
住宅ローンを全額返済しても、不動産登記簿上の抵当権が自動的に消えるわけではありません。
住宅金融支援機構も、フラット35などを完済した場合は抵当権抹消手続が必要と案内しています。
金融機関から受け取った抵当権抹消関係書類を使い、自分で法務局へ申請するか、司法書士へ依頼して抹消登記を行います。
担保余力とは?計算方法は金融機関によって異なる
「担保余力」は、担保として認められる価値に対して、現在の借入れ・必要担保額などを差し引いた余裕を表す意味で使われます。
ただし、全国共通の法定計算式がある言葉ではありません。不動産担保融資、証券担保ローン、信用取引などで計算方法が異なります。
不動産担保融資のイメージ
仕組みを理解するためだけの仮定として、金融機関が次のように評価するとします。
- 不動産評価額:2,000万円
- 融資判断上の掛目:70%
- 現在の担保対象借入残高:1,000万円
この場合、融資判断上の担保価値を単純に、
2,000万円 × 70% = 1,400万円
と仮定すると、
1,400万円-1,000万円=400万円
が計算上の余力というイメージになります。
しかし、実際の金融機関が70%という掛目を使うとは限りません。不動産の所在地、用途、築年数、権利関係、先順位抵当権、市場性などを考慮して独自に評価します。
株式などは価格下落で担保余力も減る
有価証券を担保にする場合、株式価格が下落すれば担保評価額も低下することがあります。
信用取引では、代用有価証券の価格下落や建玉の損失によって委託保証金の現在価値が基準を下回ると、不足する保証金を追加で差し入れる必要が生じる場合があります。
「一度担保価値が認められれば、完済まで評価額が固定される」とは限らない点に注意しましょう。
担保提供のメリットとデメリット
担保提供のメリット
- 無担保の商品より高額な融資に対応する商品がある
- 返済期間を長く設定できる商品がある
- 金融機関によっては無担保商品とは異なる金利条件になる
担保提供のデメリット・リスク
- 返済不能になると担保資産を失う可能性がある
- 不動産では抵当権設定登記などの費用が発生する
- 担保資産を自由に売却しにくくなる場合がある
- 資産価値の下落によって担保余力が減少することがある
- 他人の借入れの担保提供者になると、自分が借りていなくても財産を失う可能性がある
特に親族のローンについて「名義を貸すだけ」「家を担保に入れるだけ」と説明されても、担保権が実行されれば実際に所有財産を失う可能性があります。契約書で責任範囲を確認することが重要です。
住宅価格がローン残高を下回っただけで、すぐ自宅を失うわけではありません。しかし売却時や返済不能時には重要な問題になります。次のページで担保割れと競売の流れを確認します。




