
5日・25日騰落レシオの違い
騰落レシオは、集計する期間によって動き方が変わります。国内株式市場では、25日騰落レシオが代表的ですが、短期的な変化を捉えるために5日騰落レシオが使われることもあります。
5日騰落レシオは短期の変化に反応しやすい
5日騰落レシオは約1週間分の値上がり・値下がり銘柄数で計算するため、直近の相場変化に素早く反応します。
急落直後には大きく低下し、反発局面では急速に上昇しやすい一方、数値の振れが大きく、短期間でシグナルが変わる点には注意が必要です。
25日騰落レシオは約1カ月の市場動向を示す
25日騰落レシオは、おおむね1カ月分の営業日を集計するため、5日よりも動きが緩やかです。短期から中期の市場全体の過熱感を見る代表的な指標として利用されています。
一般に「騰落レシオ」とだけ書かれている場合、25日騰落レシオを指していることが多いものの、掲載サイトによって対象期間や対象市場が異なる可能性があります。数値を比較するときは、必ず計算条件を確認しましょう。
騰落レシオと日経平均株価は何が違う?
日経平均株価は、東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄から選ばれた225銘柄を対象とする株価平均型の指数です。
これに対して騰落レシオは、対象市場における値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率です。東証プライム市場の騰落レシオであれば、日経平均株価に採用されていない銘柄の動きも反映されます。
日経平均が上昇しても騰落レシオが低下することがある
日経平均株価は、一部の値がさ株の変動による影響を比較的受けやすい指数です。そのため、影響力の大きい銘柄だけが上昇し、多くの銘柄が値下がりしている場合には、次のような組み合わせが起こります。
- 日経平均株価は上昇
- 値下がり銘柄数は値上がり銘柄数を上回る
- 騰落レシオは低下
この状態は、株価指数は強く見えるものの、上昇している銘柄の広がりが弱いことを示します。反対に、日経平均株価の上昇幅が小さくても、多くの銘柄が値上がりしていれば、騰落レシオは上昇することがあります。
TOPIXとも計算方法が異なる
TOPIXは、日本株市場を広く網羅する浮動株時価総額加重型の株価指数です。時価総額の大きい銘柄ほど指数への影響が大きくなります。
騰落レシオは時価総額の大小ではなく銘柄数を数えるため、TOPIXとは異なる角度から市場の状態を確認できます。日経平均株価やTOPIXと騰落レシオを並べて見ることで、指数上昇が市場全体に広がっているかを把握しやすくなります。
騰落レシオはどこで見られる?
騰落レシオは、証券会社の投資情報、株式情報サイト、マーケットニュースなどで確認できます。ただし、対象市場、計算期間、更新時刻がサービスごとに異なる場合があります。
日本取引所グループで元データを確認する
日本取引所グループの株式市況では、市場別の値上がり銘柄数、値下がり銘柄数、変わらずの銘柄数などが公表されています。
株式市況の数値は、平日の昼頃と夕方に更新されています。株価指数のように秒単位で動くデータではないため、「騰落レシオ リアルタイム」と表示されていても、実際には前場終了時点や大引け後の更新であることがあります。
アセットアライブの騰落レシオ
アセットアライブでは、騰落レシオ、移動平均乖離率、RSI、RCIなどのテクニカル指標をまとめたチャートが掲載されています。日経平均株価と複数の指標を一度に比較したい場合に便利です。
更新は前引け後と大引け後が基本となっているため、表示時刻を確認したうえで利用しましょう。
株探の騰落レシオ
株探では、「相場の体温計」として東証プライム市場の25日騰落レシオ推移が掲載されることがあります。過去数日の数値と日経平均株価の動きを並べて確認しやすい点が特徴です。
株探には「東証業種別騰落ランキング」もありますが、これは業種ごとの株価変動を示すものであり、25日騰落レシオとは別の情報です。「騰落率」と「騰落レシオ」を混同しないようにしましょう。
SBI証券で確認するとき
SBI証券では、投資情報やテクニカル指標の解説ページで騰落レシオが取り上げられています。サイト内の機能や画面構成は変更される可能性があるため、ログイン後のマーケット情報やサイト内検索で「騰落レシオ」と入力して確認する方法が確実です。
なお、個別銘柄の「騰落率」は、その銘柄の株価が何%上昇・下落したかを示す数値です。市場全体の銘柄数から計算する騰落レシオとは異なります。
楽天証券で確認するとき
楽天証券では、マーケット関連のコラムなどで25日騰落レシオが解説されています。利用している取引ツールによって表示項目が異なるため、マーケット情報、投資情報、記事検索などから確認しましょう。
楽天証券のツールに表示されるボリュームレシオは、株価上昇日と下落日の出来高を使う指標です。名前は似ていますが、値上がり・値下がりの銘柄数を使う騰落レシオとは計算方法が異なります。
騰落レシオの過去データをCSVで保存する方法
長期間の騰落レシオを分析したい場合は、日付、値上がり銘柄数、値下がり銘柄数を表計算ソフトに記録し、CSV形式で保存する方法があります。
日本取引所グループの無料の株式市況ページでは、最新データに加えて過去5営業日分を確認できます。さらに長い期間の一括データが必要な場合は、データ提供会社や投資情報サービスの提供条件を確認する必要があります。
自分で25日騰落レシオを計算する場合は、直近25営業日の値上がり銘柄数を合計し、同期間の値下がり銘柄数合計で割ります。市場区分の変更や上場・上場廃止によって対象銘柄が変わるため、異なるサイトの数値を比較するとわずかな差が生じることがあります。
NASDAQ・S&P500にも騰落レシオはある?
米国株でも、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数を使った市場の広がりを示す指標が利用されています。英語では「Advance/Decline Ratio」や「Market Breadth」と呼ばれます。
NASDAQ市場全体を対象にする場合と、S&P500の構成銘柄だけを対象にする場合では、計算結果が異なります。そのため、米国株の騰落レシオを見るときは、次の項目を確認してください。
- NASDAQ市場全体を対象としているか
- NYSEを対象としているか
- S&P500構成銘柄を対象としているか
- 当日比率か、一定期間の合計値か
- 騰落レシオか、騰落銘柄数の差を累積するA/Dラインか
日本で一般的な25日騰落レシオと、米国サイトのAdvance/Decline Ratioは、対象期間や計算方法が同じとは限りません。数値だけを直接比較しないことが重要です。
では、騰落レシオを投資信託の購入や積立判断にどう生かせばよいのでしょうか。失敗しやすい使い方とともに次のページで解説します。





