アクティビストファンドとは?仕組み・日本の有名ファンド・投資銘柄・株価への影響・外為法まで徹底解説

日本で活動を公表している代表的なアクティビストファンド

日本株への投資・提案活動を公表している代表的な運用会社・ファンドには、ストラテジックキャピタル、Oasis Management、3D Investment Partnersなどがあります。

また、個人投資家が投資信託として購入できるアクティビスト型の商品として、マネックス・アクティビスト・ファンドがあります。

名称公表されている主な特徴
ストラテジックキャピタル日本企業への投資、株主提案、書簡、議決権行使等を公表
Oasis Management日本企業を含む投資先へのエンゲージメント・公開キャンペーンを実施
3D Investment Partners日本企業への企業価値向上提案、書簡・資料等を公表
マネックス・アクティビスト・ファンド日本企業を中心に投資し、対話・提案を行う公募投資信託

ここで注意したいのは、各社の「公式サイトに掲載されている企業名」の意味が同じとは限らないことです。現在の保有銘柄を開示している会社もあれば、公開キャンペーンや提案を行った企業のみ公表している会社もあります。

アクティビストファンド銘柄一覧|ストラテジックキャピタルの現在の投資先

株式会社ストラテジックキャピタルは、公式サイトで「現在の投資銘柄」を公開しています。

2026年9月10日時点で同社サイトに掲載されている銘柄は次の13社です。

  • ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
  • ノリタケ株式会社
  • 日本製鉄株式会社
  • 大阪製鐵株式会社
  • 株式会社ヨドコウ
  • 山洋電気株式会社
  • 日産自動車株式会社
  • 日産車体株式会社
  • 株式会社みずほフィナンシャルグループ
  • 株式会社オリエントコーポレーション
  • 京阪神ビルディング株式会社
  • 株式会社ゴールドクレスト
  • 株式会社イエローハット

同社は2026年にも複数企業への株主提案や送付書面を公表しています。

この一覧は「おすすめ株ランキング」ではありません。アクティビストが投資しているという事実だけで、将来の値上がりが保証されるものではありません。

また、ファンドの売買によって保有状況は変化します。実際の大量保有状況を確認するときはEDINETの大量保有報告書・変更報告書も合わせて確認する必要があります。

Oasis Managementの2026年エンゲージメント公表例

Oasis Managementの公式サイトでは、日本企業に関するエンゲージメントキャンペーンが公表されています。

2026年に公式サイトで確認できる例には、

  • 花王
  • AOKIホールディングス
  • 堀場製作所
  • KADOKAWA
  • 東京製鐵
  • EXEOグループ
  • コムシスホールディングス
  • ミライト・ワン
  • エス・エム・エス

などがあります。

ここで挙げているのは、同社が公式サイトでエンゲージメント・公開キャンペーンの対象として公表した例です。2026年9月10日時点の全保有銘柄一覧を意味するものではありません。

3D Investment Partnersの2026年公表事例

3D Investment Partnersも、日本企業に関する提案資料や書簡を公表しています。

2026年に公式サイトで確認できる主な公表対象には、

  • 東邦ホールディングス
  • NSソリューションズ
  • スクウェア・エニックス・ホールディングス

などがあります。

これらについても、単純な「現在の全保有銘柄一覧」ではなく、公表されたエンゲージメント・提案活動の例として見る必要があります。

アクティビストの提案事例|増配・自社株買いだけではない

実際のアクティビスト提案を見ると、内容は企業ごとに異なります。

ストラテジックキャピタルは2026年にも、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、日本製鉄、大阪製鐵、みずほフィナンシャルグループ、オリエントコーポレーション、京阪神ビルディング、ゴールドクレスト、イエローハットなどについて提案・書簡等を公表しています。

具体的な要求内容は、取締役選任、資本政策、配当、自己株式取得、保有資産、グループ経営など案件によって異なります。

「アクティビスト=現金を全部配当させる投資家」と単純化するのは正確ではありません。

マネックス・アクティビスト・ファンドとは?個人でも買える公募投信

マネックス・アクティビスト・ファンドは、愛称を「日本の未来」とする公募投資信託で、マネックス・アセットマネジメントが運用しています。

2020年6月25日に設定され、主に日本株へ投資します。企業分析によって比較的少数の投資先を選び、対象企業とエンゲージメントや提案を行いながら中長期的な企業価値・株主価値の向上を目指す運用方針です。

マザーファンドの銘柄選択・ウェイト・売買では、カタリスト投資顧問から投資助言を受けています。

2026年9月時点でマネックス証券ではNISA成長投資枠の対象として案内されています。

マネックス・アクティビスト・ファンドは「特化型運用」

このファンドは比較的少数の銘柄へ投資する「特化型運用」です。

幅広い株式市場全体へ分散するインデックスファンドとは性格が異なります。特定企業への投資比率が大きくなれば、その企業の株価が下落した場合にファンド全体へ与える影響も大きくなる可能性があります。

信託報酬と成功報酬を確認

2026年9月時点でマネックス証券が公表している主な費用は、

  • 信託報酬:純資産総額に対して年率2.20%(税込)
  • 成功報酬:ハイウォーターマークを超過した部分の22%(税込)
  • 信託財産留保額:換金時の基準価額に0.3%

などです。

販売経路によって購入時手数料の取扱いが異なる場合もあります。購入する場合は利用する販売会社の最新目論見書・手数料表示を確認してください。

過去の高い運用実績が確認できる時期があっても、将来のリターンを保証するものではありません。

マネックス・アクティビスト・ファンドの投資銘柄は全部公開されている?

同ファンドは公式FAQで、組入上位5銘柄を3か月遅れで月次レポートに掲載すると説明しています。

例えば2026年1月30日作成の月次レポートで公表された2025年10月末時点の上位5銘柄は、

順位銘柄当時の投資比率
1位IHI8.49%
2位大日本印刷6.84%
3位東宝6.25%
4位住友電設6.19%
5位TBSホールディングス6.17%

です。

これは2026年9月10日の現在保有比率ではありません。公表時点にタイムラグがあるため、最新の月次レポートと大量保有報告書等を確認する必要があります。

提案が企業を動かした?「因果関係」を断定しないことが重要

アクティビスト活動を見るときは、「提案後に企業が自社株買いをした=すべてアクティビストのおかげ」と断定しないことが重要です。

例えばマネックス・アクティビスト・ファンドのマザーファンドは、しまむらに対して資本効率改善の対話を行い、2025年には配当性向60%相当の配当と連結当期純利益の40%相当の自己株式取得を求める株主提案を行いました。

その後、しまむらは2026年1月に自社として初となる自己株式取得を決定し、4,300,000株を取得しています。

マネックス・アセットマネジメント側は、この動きを従来のエンゲージメントの方向性と合致すると評価しています。

一方、しまむら自身の公表資料では、ROE目標や資本効率向上、中長期的な企業価値向上など自社の資本政策を理由として説明しています。

したがって、アクティビストの提案と企業行動の時間的な関係は確認できても、施策の原因を一つだけに断定するのは適切ではありません。

アクティビストと買収防衛策|なぜ「攻防」になる?

アクティビストが大量の株式を取得しようとする場合、企業側が「買収への対応方針」や対抗措置を導入するケースがあります。

ただし、買収防衛策は経営者が自分の地位を守るためなら自由に使えるものではありません。

経済産業省の「企業買収における行動指針」では、主に、

  • 企業価値・株主共同の利益
  • 株主意思
  • 透明性

という考え方が重視されています。

買収への対抗措置についても、経営陣の保身目的で利用すべきではなく、必要性・相当性を検討し、株主の意思を尊重することが重要とされています。

2026年の事例|東邦ホールディングスと3D Investment Partners

東邦ホールディングスは、3D Investment Partnersによる株式の大量取得等を受け、2025年10月に大規模買付行為等への対応方針を導入しました。

2026年1月には3Dから大規模買付行為等説明書を受領し、その後、会社側と3D側の双方が、それぞれの立場から複数の資料・見解を公表しました。

会社側は2026年6月26日の定時株主総会に、一定の場合の対抗措置として新株予約権無償割当てを行うことについて株主意思を確認する議案を上程する方針を公表していました。

この事例は、アクティビストによる株式取得と、企業側の買収対応方針、情報開示、株主意思確認が組み合わさる現在の「攻防」を理解する一例です。

ただし、個々の案件について「ファンド側が正しい」「会社側が正しい」と一律に判断することはできません。株主は双方の資料、事業計画、企業価値への影響を確認して判断する必要があります。

海外ファンドが日本株を買う場合、「1%取得したら禁止」ではありません。しかし、投資先の業種や役員選任・事業売却への提案内容によって外為法上の手続が変わります。最後に2026年の最新規制と投資時の注意点を整理します。