
ステーキングのメリット|取引せずに報酬を得られる可能性がある
メリット1|保有する暗号資産から報酬を得られる
ステーキング対象の暗号資産を保有するだけでは通常得られない追加の暗号資産を、ネットワーク参加の報酬として受け取れる可能性があります。
国内交換業者には、対象銘柄を口座で保有しているだけで自動的にサービス対象となるものもあり、自分でノードを構築する方法より手続きが簡単な場合があります。
メリット2|PoSネットワークの維持に参加できる
本来のステーキングには、単に報酬を受け取るだけでなく、PoSネットワークの合意形成や安全性維持へ参加するという役割があります。
ソロステーキングなら、自分自身でバリデータを運用することによって、より直接的にネットワーク運営へ参加できます。
ステーキングのデメリット・危険性|高い年率だけで選ばない
デメリット1|暗号資産そのものが大きく値下がりする可能性がある
最も基本的なリスクは価格変動です。年率数%のステーキング報酬を得られても、暗号資産価格がそれ以上に下落すれば、円換算した資産額は減少します。
金融庁も、暗号資産は法定通貨ではなく価格が変動することがあるとして注意を促しています。
デメリット2|報酬率は変動する
ステーキングの年率は預金の固定金利とは異なり、変動するものが少なくありません。ネットワーク全体のステーク量や報酬条件が変われば、同じ数量をステークしていても受取報酬が変化することがあります。
また、交換業者経由ではサービス側の分配ルールが変更される場合もあります。例えばBITPOINTは、2026年5月1日以降のステーキング対象期間から、同社が受領した報酬の利用者への分配割合を100%から75%へ変更しています。
デメリット3|ロック期間中は売却できないサービスがある
急激に価格が下落したときに売却したくても、ロック期間が設定されたサービスではすぐに動かせない場合があります。
反対に、BITPOINTやSBI VCトレードのように、提供しているステーキングサービスの途中でも対象暗号資産を売却・出金できる事業者もあります。
同じ「ステーキング」という名称でも、資産拘束の条件はサービスによって違います。
デメリット4|スラッシングなどのプロトコル上のリスク
PoSネットワークによっては、バリデータが禁止された行為をした場合などにステーク資産へペナルティが発生する仕組みがあります。
イーサリアムでは、相反する内容への二重署名など、証明可能な不正行為がスラッシングの対象になります。また、正常にバリデータ業務を行えない場合には報酬を逃したりペナルティを受けたりすることがあります。
デメリット5|事業者やサイバーセキュリティに関するリスク
交換業者などに暗号資産を預けてステーキングする場合、ブロックチェーンそのもののリスクだけでなく、利用する事業者のシステムやサービスにも依存します。
金融庁は、暗号資産の利用に際して登録業者か確認するよう注意喚起しています。ただし、金融庁への登録は、その事業者や暗号資産について利益や安全性を保証するものではありません。
ステーキングとレンディングの違いは?
ステーキングと混同されやすいサービスが「レンディング(貸コイン)」です。
| 比較項目 | ステーキング | レンディング |
|---|---|---|
| 基本的な仕組み | PoSなどのネットワーク運営・検証に関連して報酬を得る | 暗号資産を事業者等へ貸し出し、契約に基づく貸借料などを得る |
| 対象銘柄 | 主にステーキングに対応する暗号資産 | PoS以外の暗号資産も対象になる場合がある |
| 報酬の原資 | ネットワークのステーキング報酬等 | 貸付契約に基づく利用料等 |
| 期間 | サービスによってロックあり・なし | 一定の貸出期間が設定されることがある |
| 主な追加リスク | スラッシング、バリデータ、サービス事業者等 | 貸付先・サービス事業者の信用、契約条件等 |
例えばSBI VCトレードでは、2026年9月時点の自社サービス比較で、ステーキングは特別な申込みが不要で期間を無期限とし、途中売却・出金可能としています。一方、同社のレンディングは申込制で、募集時に期間と年率が決まる別サービスとして案内されています。
レンディングで得られるものを「ステーキング報酬」と呼ぶのは正確ではありません。ビットコインのようにネイティブステーキングを採用していない暗号資産を増やしたい場合、レンディングが提供されることがありますが、仕組みとリスクは分けて理解しましょう。
ステーキングのロック期間|解約・売却はいつできる?
ロック期間に全国共通・業界共通のルールはありません。利用するブロックチェーンとサービスによって異なります。
BITPOINTは解約手続き不要・売却や出金が可能
BITPOINTでは、2026年9月時点のステーキングサービスについて「解約」の手続きはなく、中途解約手数料もないと案内しています。対象暗号資産はいつでも売却・出金でき、その時点で自動的にステーキング対象外になります。
SBI VCトレードもステーキング中の売却・出金が可能
SBI VCトレードも、対象暗号資産を保有しているだけでステーキング対象となり、途中でも売却・出金が可能と案内しています。
ただし、報酬は毎月の平均保有数量などを基に計算されるため、期間中に売却・出金すると報酬額にも影響します。
CoinTradeはロック解除日時を確認する
CoinTrade Stakeは申込制で、運用を終了する場合にはステーキング運用詳細画面から「終了申請」を行います。CoinTradeの公式FAQでは、暗号資産を売却・送金できるようになるのはロック解除日時以降とされています。
つまり、BITPOINTやSBI VCトレードと同じ感覚で「いつでも即座に売れる」とは限りません。申込前に個別商品のロック開始日時・解除日時を確認することが重要です。
仮想通貨のステーキング取引所を比較|2026年9月時点
ここでは国内サービスの違いを理解するため、BITPOINT、SBI VCトレード、CoinTradeの公式情報を比較します。銘柄数や年率は変更される可能性があるため、「最もおすすめの取引所」を固定的に決めるものではありません。
| サービス | 主な特徴 | ロック・売却 | 報酬について |
|---|---|---|---|
| BITPOINT | 2026年9月確認時点でETH、ADA、SOL、TRX、DOT、SUI、ATOM、AVAX、FLRの9銘柄を掲載 | 解約手続きなし。売却・出金可能 | 受領したステーキング報酬の75%を分配。原則翌月15日までに付与 |
| SBI VCトレード | ETH、SOL、TRX、ADA、HBAR、AVAX、SUI、TON、DOT、NEAR、ATOM、FLR、APT、ALGO、XDC、OASの16銘柄 | ステーキング途中でも売却・出金可能 | ステーキング実績の75%を利用者分として配布。原則翌月15日まで |
| CoinTrade Stake | アプリから対象プランへ申込み | 終了申請後もロック解除日時までは売却・送金不可 | ステーキング期間中、報酬を毎月15日前後に配布 |
BITPOINTでは対象期間中の平均保有数量などを基に、同社が受領したステーキング報酬の75%を利用者へ分配しています。ETH・SOL・ADAについては、2026年9月時点で暗号資産だけでなく日本円で報酬を受け取る選択肢も案内されています。
SBI VCトレードでもステーキング実績の75%を利用者分として配布しています。2026年6月30日にXTZ(テゾス)のステーキングサービスが終了しているため、終了済みのXTZを除くと上表の16銘柄です。
CoinTradeではサービスの設計が異なり、申込み、ロック、終了申請という手順があります。また、ステーキング報酬率は過去のステーキング運用実績をもとにした目安として年率換算表示されており、固定利率を保証するものとして案内されているわけではありません。
イーサリアムのステーキングはおすすめ?比較すべき6項目
ETHのステーキングが適しているかは、報酬率だけでは決まりません。そもそもETHを保有する価格変動リスクを許容できるかが最初の判断材料です。
サービスを比較する場合は、少なくとも次の項目を確認しましょう。
- 利用者が実際に受け取る報酬率:ネットワーク実績ではなく、事業者の分配率を反映した条件を見る
- ロック期間:必要なときに売却・出金できるか
- 報酬の受取方法:ETH、円、その他の資産のどれで受け取るのか
- 最低数量:申込みに最低数量が設定されているか
- 資産管理:自分で秘密鍵を管理するのか、事業者へ預けるのか
- サービス固有のリスク:スラッシング時の扱い、手数料、事業者の規約など
「年率が最も高いから」という理由だけで暗号資産そのものを選ぶと、本来の投資判断が報酬率に引っ張られてしまいます。まず暗号資産を保有するリスクを検討し、その後でステーキング方法を比較する順番が重要です。
初心者向け|ステーキングの始め方
- 利用する事業者を確認する:日本の暗号資産交換サービスを利用する場合は、金融庁・財務局への登録状況を確認します。
- 対象銘柄の仕組みを理解する:報酬率だけでなく価格変動、ネットワーク、ロック条件を確認します。
- 暗号資産を用意する:対象サービスで購入する、または対応していれば外部から入庫します。
- ステーキング設定を確認する:保有だけで自動対象になるサービスと、自分で申請するサービスがあります。
- 報酬履歴を保存する:税金の計算に必要になるため、報酬数量と取得時の時価がわかる記録を残します。
金融庁は、暗号資産交換業者について登録一覧を公開しています。ただし登録済みであることは、将来の利益、暗号資産の価格、サービスの安全性を保証するものではありません。
ステーキングで最も間違えやすいのが税金です。「売却して円に換えるまで課税されない」とは限りません。報酬を受け取った時点で何を記録すべきか、次のページで詳しく解説します。





